宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2006/10/17 10:25 更新 太陽風の速度は下がり(420km/秒)、地球は高速風領域を抜け出しました。放射線帯高エネルギー電子は強まった状態が続いています。 担当 篠原 太陽風の速度はどんどん下がり、500km/秒から420km/秒に下がりました。 通常の速度に戻ったと言えます。 27日周期の図より、高速風の変化を前周期(9月17日〜20日)と比較すると、 継続期間がやや広がり、地球への到来のタイミングが1日ほど早まっています。 速度が低下に向かっていますが、太陽風磁場の南北成分は-2nTくらいの弱い南向きが発生しています。 このため、小規模のオーロラ活動は継続している様です。 AE指数のグラフを見ると、あまり明瞭ではありませんが、 300〜500nTくらいの変化が比較的連続的に発生しているようです。 南向きの振幅が小さいことと、速度が下がっているため、小さな活動にとどまっています。 27日周期の図から、今後の変化を予想してみましょう(図の時刻は世界時です)。 前周期は9月20日に太陽風の速度(緑色線)が下がり、 21日から23日前半にかけて低速風が続いています。 23日に入ったところで、磁場強度(青線)が強まり始め、 23日の後半から速度が上昇を開始しています。 24日に入ると太陽風の速度は650km/秒に達し、かなりの高速状態になりました。 南向き磁場(赤線のマイナス変化)が強まったため、オーロラ活動が活発になり(24日の水色線の増加)、 小規模の磁気嵐も発生しています(24日の桃色線の減少)。 高速風の発生源のコロナホールは、SOHO EIT284の2枚目の写真(9月19日)で見ることができます。 太陽の中心からやや東寄り(左寄り)に暗い穴が見えています。 ここがコロナホールです。 これを最新の写真(EIT284の1枚目)と比較してください。 コロナホールはほぼ同じ位置にあり、やや濃く、大きくなっているように感じます。 位置に大きな変化がないことから、前周期と同様の変化がこのあと見られると予想できます。 日付を今周期に変換すると、今日から19日にかけて穏やかな太陽風が続きます。 20日になると磁場強度に変化が始まり、これを前触れとする様に、速度の上昇が始まるでしょう。 日本時間では21日に入っているかもしれません。 高速風の規模は前周期と同様か、コロナホールが拡大している印象から、 やや強まっているかもしれません。 特に20日から21日にかけては、オーロラ観望も期待できます。 放射線帯の高エネルギー電子の強まった状態が続いています。 GOES12(赤線)では、密度がやや増加しています。 衛星運用では支障が発生しやすい状態が続いていますので、注意が必要です。 今後の太陽風の変化を考えると、次の高速風が来る21日くらいまで警戒状態が続くと予想されます。 27日周期の図で、前周期の変化を参考にしてください。 この時も、9月19日に増加した高エネルギー電子は、23日の擾乱が始まるまで高いレベルを続けていました。 太陽は引き続き無黒点です。 X線のグラフは最低レベルを続けていて、非常に穏やかです。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|