宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CARISMA)
オーロラ(衛星) (NICT)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙環境情報
太陽地球環境予報
太陽地球環境情報サービス
宇宙環境計測グループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/10/11 13:13 太陽風は減速を続けています。磁気圏は静穏です。
2006/10/12 11:14 太陽風速度は、330km/秒まで減少しました。太陽風のセクター境界が通過しました。
2006/10/13 10:58 太陽風速度が上昇傾向に転じました。磁気圏は今のところ静穏です。
2006/10/14 12:58 高速風が始まりました(500km/秒)。活発なオーロラ活動が発生してます。
2006/10/15 12:45 高速風は650km/秒に上がっています。最高速に達したと思われます。オーロラの活動も活発です。
最新のニュース

2006/10/16 12:00 更新
高速風はピークを過ぎ、速度は低下に向かっています(500km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。

担当 篠原

太陽風は高速風のピークを越え、ゆっくりと下がり始めています。
今日のACEの図では、600km/秒から一日かけて500km/秒まで下がっている様子が見られます。
太陽風の磁場強度も5nTから2nTへと、かなり弱まっています。
このため、南向き磁場も小さくなっていて、オーロラの活動は落ち着いています。
AE指数のグラフでは300nTくらいの小規模の活動はちらちら見えていますが、
目立った変動は観測されていません。

高速風はこれで終わり、明日、明後日と太陽風の速度は下がって行って、穏やかな状態となるでしょう。
その一方、次の擾乱の要因が姿を現しています。
SOHO EIT284の太陽写真では、太陽の東(左)よりに暗いコロナホールが姿を現しています。
この穴は、太陽の磁場が外側へ向かって開いている領域で、
速度の高い太陽ガスが宇宙空間へ向かって吹き出しています。
ガスが飛び出しているため、高温のガスの密度が下がり、周囲より暗く見えるのです。
そして、あたかもホースから水が飛び出すように、
太陽系全体へ向かって高速の太陽風が吹き出しているのです。

このコロナホールからやって来る高速の太陽風が、5日ほど経つと地球へやってくるでしょう。
27日周期の図を参考に見てください。
前の周期(太陽が同じ面を地球に向けていたとき)の、9月24日に速度が上昇をしています。
これをそのまま今周期に当てはめると、10月21日になります。
従って、10月19日ころまでは穏やかな状態が続き、20日に高速風帯の前触れとなる変化が見られそうです。

放射線帯の高エネルギー電子の密度が引き続き増加して、
GOES11,12ともに10の4乗を超えています。
衛星の運用では注意が必要です。
高エネルギー電子は、明日にかけて更に増加する可能性があります。
ただし、高速風は終息に向かっていますので、高エネルギー電子が大きく増加することはないでしょう。
増加した高エネルギー電子は、ゆっくりと減少して行きます。
数日にわたって、警戒状態が続くでしょう。

太陽は無黒点のままです。
X線のデータはとても静かで、穏やかな太陽が続いています。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。