宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/10/16 12:00 更新 高速風はピークを過ぎ、速度は低下に向かっています(500km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。 担当 篠原 太陽風は高速風のピークを越え、ゆっくりと下がり始めています。 今日のACEの図では、600km/秒から一日かけて500km/秒まで下がっている様子が見られます。 太陽風の磁場強度も5nTから2nTへと、かなり弱まっています。 このため、南向き磁場も小さくなっていて、オーロラの活動は落ち着いています。 AE指数のグラフでは300nTくらいの小規模の活動はちらちら見えていますが、 目立った変動は観測されていません。 高速風はこれで終わり、明日、明後日と太陽風の速度は下がって行って、穏やかな状態となるでしょう。 その一方、次の擾乱の要因が姿を現しています。 SOHO EIT284の太陽写真では、太陽の東(左)よりに暗いコロナホールが姿を現しています。 この穴は、太陽の磁場が外側へ向かって開いている領域で、 速度の高い太陽ガスが宇宙空間へ向かって吹き出しています。 ガスが飛び出しているため、高温のガスの密度が下がり、周囲より暗く見えるのです。 そして、あたかもホースから水が飛び出すように、 太陽系全体へ向かって高速の太陽風が吹き出しているのです。 このコロナホールからやって来る高速の太陽風が、5日ほど経つと地球へやってくるでしょう。 27日周期の図を参考に見てください。 前の周期(太陽が同じ面を地球に向けていたとき)の、9月24日に速度が上昇をしています。 これをそのまま今周期に当てはめると、10月21日になります。 従って、10月19日ころまでは穏やかな状態が続き、20日に高速風帯の前触れとなる変化が見られそうです。 放射線帯の高エネルギー電子の密度が引き続き増加して、 GOES11,12ともに10の4乗を超えています。 衛星の運用では注意が必要です。 高エネルギー電子は、明日にかけて更に増加する可能性があります。 ただし、高速風は終息に向かっていますので、高エネルギー電子が大きく増加することはないでしょう。 増加した高エネルギー電子は、ゆっくりと減少して行きます。 数日にわたって、警戒状態が続くでしょう。 太陽は無黒点のままです。 X線のデータはとても静かで、穏やかな太陽が続いています。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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