宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 8/29 13:57 高速太陽風が続いています(500km/秒)。これから、CMEによる太陽風の乱れが加わりそうです。
2006/ 8/30 12:29 高速の太陽風が続いています(550km/秒)。CMEの乱れはやってきませんでした。
2006/ 8/31 13:47 太陽風は速度が下がり、通常の速度に戻っています。磁気圏では、小規模のオーロラ活動が見られていました。
2006/ 9/ 1 11:25 太陽風はやや遅くなっていますが(380km/秒)、南向き磁場が長時間続き、磁気圏が活動的になりました。
2006/ 9/ 2 13:15 太陽風はやや低速です(380km/秒)。南向き磁場の影響で、小規模のオーロラ活動が続いています。
最新のニュース

2006/ 9/ 3 13:22 更新
太陽風の速度がやや上がっています。コロナホールの影響はこれからでしょう。

担当 篠原

太陽風の速度(ACEの図の黄色線)が、未明の3日1時(世界時2日16時)からゆっくりと上昇を始め、
今朝3日8時(世界時2日23時)に500km/秒まで上がりました。
いよいよ高速風の到来かと思われたのですが、500km/秒に達したところで下降に向かい、
5時間ほど経った現在、450km/秒にやや下がっています。

太陽風の磁場強度(白線)を見ると、この頃までほとんど変化をしておらず、
本格的な高速風が来る雰囲気ではありません。
一旦下がりつつあるのは、こういう点とも関係しているように思います。

一方、27日周期の図を見ると、そろそろコロナホールの影響が始まっても不思議ではありません。
太陽風の磁場強度の最後の部分は5nTから10nTへ向かってあがりつつあるようにも見えます。
この部分だけを見て何かを言うことはできませんが、
引き続き10nTを超えるくらいに強まって行くようなら、
間もなく高速風がやってくるでしょう。
速度が上がり、強まった太陽風の磁場が南を向くと、磁気圏活動が活発になります。
オーロラが活発に発生したり、磁気嵐が起こる可能性があります。
太陽風の乱れは3日ほど続くと予想されます。

太陽風磁場の南北成分(赤線)は、振幅は小さいですが、比較的南寄りになっています。
この影響で、小規模のオーロラ活動は見られていた様です。
AE指数の図が今日も止まったままですが、シベリアの図を見ると、
TIK、NOKで共に300nTくらいの変化が見えています。
観測点の位置はこの地図を見てください。
日本の北方のオーロラ地帯の観測点です。

太陽の写真は、昨日のままです。
そろそろ905黒点群が没していると思われます。
X線のデータを見た印象では、残った906群の活動は穏やかになっています。
また、東から新しい群が上がって来そうです。



GOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。3日10時半(世界時3日1時半)。元の写真はやや左に傾いているようです。
(c) NOAA/SEC


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。