宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 9/ 1 11:25 更新 太陽風はやや遅くなっていますが(380km/秒)、南向き磁場が長時間続き、磁気圏が活動的になりました。 担当 篠原 昨日のACEのデータで見られた磁場の強まりは(ACEの図の白線)、 その後も8nTから10nTの範囲で強まったまま、現在まで続いています。 南北成分(赤線)を見ると、始め、北向き(プラス)だったものが、次第に0nT付近になり、 その後、南向き(マイナス)へと切り替わっています。 これは、太陽から飛び出した大きな磁場のかたまりが、 地球を通過する時に見られる変化とよく似ています。 磁場が大きくループを描いているために、 かたまりが地球を通過する時、磁場の方向がゆっくりと切り替わって行くのです。 こういう変化がやってくると、強い南向きが安定して続くことがあり、 磁気圏は乱れやすくなります。 今回も、速度は380km/秒とやや遅めになっているのですが、 -5nTくらいの南向きが延々と11時間くらい続いています。 このため、AE指数では1000nTに達する活発な変化が見えています。 Dst指数も-50nTの減少となっていて、弱い磁気嵐になっている様です。 太陽風磁場の南北成分は、現在は北向きに変わりつつあります。 磁気圏の活動は一段落となるでしょう。 さて、GOES13のX線写真では、コロナホールが太陽の西側に進んでいます。 位置的には、今後、いつ高速風が始まってもおかしくない場所に達しています。 その一方、27日前の太陽風を参照すると、高速風が来るのは明後日の3日になると予想されます。 昨日のニュースで比較しましたが、コロナホールが前回よりも強まっているように思われますので、 太陽風の変化は前周期と違っている可能性もあります。 いつから速度に変化が始まるのか、注目されます。 X線の動画が見られないため、詳細が分からないのですが、 太陽では、小さなフレア活動が活発に発生している様です。 905黒点群と、その左に小さく見える906黒点群(まだ番号はついていません)が起こしている様です。 このうちの、1日2時(世界時31日17時)頃に発生しているB7の小さなフレアでは、 小規模ですがCME(太陽ガスの放出現象)を起こしています。 SOHO LASCO C3の連続写真を掲載します。 太陽の西方向に飛び出していますので、地球への影響はないでしょう。 905群は、黒点群としては規模が縮小しつつあります。 新しい906黒点群も、まだ小さな黒点群です。 今のところは、Cクラスの小規模フレアを起こす程度と思われます。 GOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。1日10時半(世界時1日1時半)。元の写真はやや左に傾いているようです。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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