宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 8/ 8 08:32 更新 高速太陽風がやってきました(600km/秒)。太陽風磁場が大きく南を向いたため、活発なオーロラ活動が発生しています。 担当 篠原 昨日のニュース以降、太陽風が高速になりました。 速度が上昇する間、太陽風磁場が南寄りになったため、磁気嵐など活発な磁気圏活動が発生しています。 7日9時(世界時7日0時)頃から、太陽風の磁場が10nTを越えるくらいに強まりました。 同時に、セクター境界(太陽風磁場の大まかな方向が切り替わる場所)を越えました。 27日周期の図を見ると、この時刻をはさんで磁場の様子がかなり大きく変化しています。 この様に変化が急に始まっているのは、 セクターを挟んだ変化だったということも関連している様に思われます。 磁場が強まるとともに、速度にも変化が始まりました。 それまで320km/秒とかなり低速だった太陽風は、いったん400km/秒近くまで速度が上がり、 7日13時(世界時7日4時)頃からは本格的な上昇が始まって、 7日21時(世界時7日12時)頃に600km/秒に達しました。 太陽風速度の上昇期間に、太陽風の磁場強度が20nTに達するほどにかなり強まりました。 特に、南北成分が南寄り傾向になり、-10nTくらいの大きな南向きが速度上昇の間ずっと続いていました。 このため、磁気圏に大きなエネルギーが流れ込み、活発な磁気圏活動を起こしています。 オーロラ活動を示すAE指数を見ると、 1日分のグラフ全体にわたって500〜1000nTの活発な活動が続いています。 中でも、7日19時(世界時7日10時)頃には1500nTに達する激しい変化を記録しています。 シベリアでもオーロラ活動に伴う大きな磁場変動が記録されています。 沖縄のデータが途絶えているため、グラフとしてはお見せできませんが、 小規模の磁気嵐も発生しています。 京都大学のDst指数では、-50nTの磁場の減少が記録されています。 この期間はこれまでも高速風が繰り返されていました。 今回の変化を前回と比較すると、最高速度や磁場の乱れなど、 高速風の規模は一段大きくなっています。 しかし、SOHO EIT284では目立ったコロナホールは見られず、 これまでもそういう傾向があったのですが、なかなか予想の難しい領域です。 太陽風の乱れは明日くらいまで続くのではないかと思います。 磁場強度は5nTに下がっていますので、高速風としては最大に達しています。 現在の状態がしばらく続いた後、速度はゆっくりと下がり始めるでしょう。 磁場が既に弱まっている事や、今後は速度が低下に向かうため、 磁気圏活動は次第に小規模なものになります。 太陽は無黒点が続いています。 フレア活動は見られず、穏やかな状態が続くでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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