宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 7/30 16:00 太陽風の速度は450km/秒に下がっています。磁気圏は静穏です。
2006/ 7/31 13:15 太陽風は通常の速度です(400km/秒)。太陽風の磁場強度が強まっており、これから高速風が始まりそうです。
2006/ 8/ 1 11:16 コロナホールの影響で、太陽風の速度が高速になっています(500km/秒)。磁気圏もやや活動的です。
2006/ 8/ 2 08:36 太陽風の速度が再び上昇し(最高650km/秒)、磁気圏はやや活発な状態になっています。
2006/ 8/ 3 10:47 高速の太陽風が続いています(550km/秒)。オーロラ活動もやや活発です。
最新のニュース

2006/ 8/ 4 09:48 更新
太陽風の速度が下がり始め、500km/秒を切っています。磁気圏は穏やかです。

担当 篠原

地球は太陽風の高速領域から抜け出しつつあります。
昨日より550km/秒で推移していた太陽風の速度は、
4日0時(世界時3日15時)頃から下がり始め、現在は500km/秒を切るくらいに下がっています。
依然やや高速のレベルではありますが、これから更に下がって、
高速風は終わりを迎えるでしょう。

今回の高速風の変化を前回の変化と比較すると(27日周期の図)、
最高速がやや下がりはしたものの(650km/秒→600km/秒)、
継続期間は4日程度となり、あまり変わりませんでした。
この高速風は、また今月の終わりに地球方向に帰ってくるはずです。
そのとき、どのような姿になっているのか、楽しみに待ちたいと思います。

さて、高速風の後半を迎えて、太陽風磁場の強度は下がり始めています。
3nTから、やや切るくらいに弱まっています。
南北成分は細かく振動していますが、振幅が小さくなっているため、
南を向いてもあまり影響がありません。
オーロラの活動度を示すAE指数のグラフには小さな変動がいくつか見える程度です。
この後、速度が下がって行きますので、磁気圏は静穏な状態が続くでしょう。

SOHO EIT284の写真には、太陽の中心からやや南寄りに淡いコロナホールが見えています。
これまでを振り返ると、太陽のこの領域は、
コロナホールが小規模で淡く、回帰してくるたびに形が変化している印象があります。
それでいて、過去4周期ほどは600km/秒近い高速風が安定して繰り返されていた
という領域です(前回は500km/秒止まりでしたが)。

昨日も書きましたが、今回はコロナホールが西側に移動して見えていて、
今日の写真ではもう2日程度で地球に影響が及びそうな様子です。
コロナホールの濃さから考えると、あまり大きな速度にはならないと思われますが、
さて、どうなるでしょうか。

放射線帯の高エネルギー電子は、増加していますが、
増え方は小さくなっていて、今回は警戒ラインには達しない様です。
1桁下の、10の3乗程度で終わりそうです。

太陽では、901, 902黒点群が没して、無黒点状態になりそうです。
X線のグラフもレベルがかなり落ちています。
穏やかな状態が続くでしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。