宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 7/28 17:52 更新 高速太陽風が到達し、弱い磁気嵐が発生しています。 2006/ 7/28 18:32 追加 ヤップ島より 担当 篠原 昨日、数日静穏と予想しましたが、コロナホールの影響が思いのほか早く現れてきました。 太陽風速度は、700km/秒まで増加した後、現在はやや減速傾向に転じています。 速度が上昇している間、太陽風磁場もその強度を増すとともに、-15nT程度の南向き (赤い線)の変動を示しました。 沖縄の磁場変動を見ると、南向き太陽風磁場に伴って約85nT程度の減少を示しており、 弱い磁気嵐が発生していることを示しています。AE指数では、27日の21時UT頃から オーロラ活動が活発になっており、28日04時UTでは、1000nTを超えるオーロラ嵐の 発生も確認できます。 SOHO EIT284の画像を見ますと、やや東より(向かって左)に別のコロナホールが 現れており、このコロナホールが西側に回って来たときに再び太陽風速度の上昇 が予想されます。GOESのX線グラフではBクラスの弱いフレアが見られるのみで、 明るい領域の活動はそれほど活発にはなっておりません。 さて、今後の推移ですが前周期の変動とは大きく異なっているため正確に予想するのは 難しい状況ですが、太陽風磁場の強度は弱まりつつあり南向き成分も弱くなっていることから、 磁気嵐はこのあと収束に向かっていくと思われます。 しかし、現在減少しかけている太陽風速度が比較的高速の状態で安定した場合は、 オーロラ活動の活発化や、静止軌道での高エネルギー粒子の増加などが予想されるために 今後の推移に注意が必要です。 2006/ 7/28 18:32 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります (訂正:上記のニュース本文は、北村が担当しています) こちらヤップ島です。 作業は大詰めを迎えています。 明日一日で仕上げをして、明日の深夜に飛行機に乗る予定です。 ヤップ島は赤道に近いため、夏至の前後は太陽が北向きに上ります。 夏至から1ヶ月程度だったからでしょう、昼間ふと影を見ると南側にできていました。 その時の写真を紹介します。 方位磁針は右が北を、左が南を指しています。 そして、ペットボトルの影は南側にあります。 私たちがヤップ島に観測に来るのも、 赤道に近い(磁気的には赤道直下です)ということがポイントになっています。 オーロラは北極や南極の空に輝きます。 宇宙天気の変動の多くは、極域に多くのエネルギーをもたらすのです。 しかし、そのエネルギーの一部は更に深く浸透して、赤道まで達します。 磁気赤道ではこれらの変化が強調される特殊な性質があり、 これを利用して赤道から宇宙天気を研究しています。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
2006/ 7/28 18:32 追加 赤道に近いヤップ島では、今は影が南を向いています。 (c) 篠原 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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