宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 7/23 17:05 更新 太陽風は低速状態が続き(320km/秒)、地球磁気圏は穏やかです。明日以降の変化が注目されます。 担当 篠原 21日に日本を発ち、今朝から太平洋ミクロネシア諸島のヤップ島へ来ています。 新しい磁力計の設置作業を行うためです。 日本の真夏を先取りした様な暑さの中にいます。 これから、穴を掘ったり、ブロックを積んだりの作業が待っています。 さて、昨日、速度上昇の気配が見られた太陽風ですが、 速度が330km/秒まで上がったところで頭打ちになり、 その後300〜320km/秒で落ち着いています。 密度は下がり、磁場強度も2nTに下がって、また4nTに戻っています。 27日周期の図で、太陽風磁場の大まかな方向を示すセクターのグラフが 上がったり下がったりと何度も変化しています。 この様な、太陽風磁場の大まかな構造をまたいだことによる、 太陽風速度や密度の変動だったのかもしれません。 結局、太陽風に大きな乱れは起こらず、磁気圏は穏やかな状態が続いています。 AE指数には変化が全く見られていません。 太陽風は、このまま穏やかな状態が明日くらいまで続くのではないでしょうか。 そして、27日の周期性に基づくと、明日くらいから太陽風の乱れが始まるはずです。 ところが、今回、コロナホールの様子が大きく変化しています。 昨日の写真の方が比較しやすいので、 SOHO EIT284の写真を、最新、昨日、昨日の27日前と、3枚掲載します。 この中で、2枚目と3枚目を比較してください。 3枚目の写真では、太陽の中央に、 小ぶりですが暗いコロナホールがはっきりと見えています。 ところが、昨日の2枚目の写真では、 コロナホールははるかに小さく、微かになっています。 コロナホールの分布に、一気に変化が起こった様です。 27日前の変化に従うと、明日くらいから磁場強度が強まり始め、 明後日から速度が上昇すると見込まれます。 しかし、今回は高速風がかなり小さくなっているのではないでしょうか。 一方、話がさかのぼりますが、7月20日に太陽でフィラメント消失が発生し、 SOHO LASCO C3カメラで21日1時(世界時20日16時)より、 CME(太陽ガスの放出現象)が観測されています。 4枚の写真を掲載していますが、 白いガスが南東(左下)に向かって飛び出しているのが分かります。 主に南東へ向かっているので、地球への影響は限定的になると思われますが、 明日くらいに太陽風の乱れがやってくるかもしれません。 コロナホールの高速風に、CMEの影響と、 明日以降の太陽風の分析は難しくなりそうです。 太陽では、東の端から新しく901黒点群が上がってきました。 規模は小さく、太陽は引き続き穏やかな状態が続くでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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