宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 7/10 10:35 CMEによる太陽風の乱れが来ました。速度が450km/秒に上昇した程度で、乱れは小規模です。磁気圏は静穏です。
2006/ 7/11 10:33 太陽風の乱れは通り過ぎ、低速風に戻っています。これからコロナホールの高速風が始まるでしょう。
2006/ 7/12 10:06 太陽風の磁場が強まっています(10nT)。速度は450km/秒に上昇していますが、更に上昇すると予想されます。
2006/ 7/13 08:37 太陽風は、500〜550km/秒の高速風になっています。小規模のオーロラ活動が見られています。
2006/ 7/14 09:22 高速風は終わり、太陽風は通常の速度に戻っています(400km/秒)。これから10日近く、穏やかな太陽風が続きそうです。
最新のニュース

2006/ 7/15 08:47 更新
太陽風に乱れが発生しています(速度480km/秒)。南向き磁場の影響で、磁気圏でも乱れが発生しています。

担当 篠原

静穏に戻った太陽風に、一時的な乱れが発生しています。
高速風領域を通過して、速度400km/秒、磁場強度3nTと、穏やかになっていた太陽風ですが、
14日14時(世界時14日5時)頃から磁場強度がゆっくりと強まり、
14日22時(世界時14日13時)頃に10nTへ、
14日18時(世界時14日9時)頃からは、速度も上がって、現在480km/秒に達しています。
やや高速という程度ですが、突然の高速風になりました。
10nTに強まった後、磁場強度は低下に転じて、既に5nTに弱まっています。
したがって、速度もこれ以上大きく上がる事はないでしょう。

この太陽風の乱れの原因は、よく分かりません。
SOHO EIT284の太陽写真の西側にはコロナホールの影は見られません。
太陽風磁場のセクター境界の切り替わりがちょうど発生していて、
関連があるのかもしれませんが、セクターの切り替わりがいつも乱れを運ぶ訳ではありません。
前周期の変化でも、コロナホールの規模の割に高速の風が長時間続いた印象がありました。
コロナホールの様な姿で見えてはいませんが、
太陽のこの部分に、高速風を吹き出しやすい構造の様なものがあるのかもしれません。

太陽風の磁場が強まった間、南北成分は大きく南向きに偏っていました。
このため、磁気圏活動が強まっています。
AE指数では、1000nTに達する活発な活動が6時間以上続きました。
沖縄の磁場強度も40nTほど下がっていて、弱い磁気嵐状態になっている様です。
磁場強度は弱まっていますので、今後はそれほどの活動は起こらないでしょう。

今回の太陽風の乱れは一時的なものだと思います。
今日いっぱいくらいで速度も低下に向かうのではないでしょうか。
その後は、穏やかな状態が続くでしょう。

太陽のフレア活動はとても穏やかです。
899黒点群はほとんど見えなくなっています。
一方、東側にとても小さく2つの黒点が見えています。900黒点群という番号が付けられています。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。