宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 7/ 6 11:04 高速風が続いています(600km/秒)。磁気圏の活動度は小規模に下がっています。
2006/ 7/ 7 11:00 M2.5の中規模フレアが発生しました。CMEも発生しています。高速太陽風は速度が下がり始めました。
2006/ 7/ 8 11:54 太陽風の速度は下がり(450km/秒)、通常の状態に戻りつつあります。898黒点群はC5の小規模フレアを起こしました。
2006/ 7/ 9 13:33 太陽風は通常の速度(380km/秒)で、磁気圏は静穏です。これからCMEの影響が見られるかもしれません。
2006/ 7/10 10:35 CMEによる太陽風の乱れが来ました。速度が450km/秒に上昇した程度で、乱れは小規模です。磁気圏は静穏です。
最新のニュース

2006/ 7/11 10:33 更新
太陽風の乱れは通り過ぎ、低速風に戻っています。これからコロナホールの高速風が始まるでしょう。

担当 篠原

昨日、CMEによる太陽風の乱れが発生し、太陽風の速度が450km/秒に上昇しました。
その後、速度はすぐに低下を始め、11日0時(世界時10日15時)には、
370km/秒にまで下がりました。
CMEの影響は終わったと見てよいでしょう。

ちょうど速度が下がりきる頃に、太陽風の磁場が-5nTの南向きになる時間帯がありました。
その影響で、オーロラ活動が活発になり、500nTくらいの変動がAE指数で見えています。
既に速度が遅くなっていたので、大きく乱れることはありませんでした。

ACEの図を見ると、磁場強度が7nTくらいに強まった状態が続いています。
CMEの乱れに引き続いているので、区別がつけにくいのですが、
次の高速風の影響が始まっているのではないかと思います。
SOHO EIT284の太陽写真では、コロナホールは太陽の西側半分のところに達していて、
地球へ高速風がいつ到来してもおかしくありません。
27日周期の図で前回の変化を見ると、速度上昇は6月14日に始まっていて、
これは今日、7月11日に対応します。
この後、太陽風の速度上昇が始まるのではないかと思います。

磁場強度が強まっているため、南を向いた場合に大きめの振幅になりやすくなっています。
これに速度の上昇が重なると、磁気圏に大きなエネルギーが流れ込み、
オーロラ活動や磁気嵐が発生しやすくなります。
前回は6月15日から18日にかけて600km/秒高速風が続き、オーロラ活動が見られました。
今回はどうなるでしょうか。

放射線帯の高エネルギー電子は、昨日の磁気圏の乱れの影響で一気に減少しています。

太陽では898黒点群が没してしまい、中心に小さく899黒点群が見えるだけになっています。
規模は小さく、フレア活動はとても穏やかです。
X線のグラフも、強度が最低レベルに下がっています。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (放射線帯電子版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽風速度
km/sec
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。