宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 6/29 10:43 更新 太陽風が高速になっています(550〜600km/秒)。磁場強度は強まったままです(15nT)。 担当 篠原 地球は高速太陽風の領域に入っています。 昨日より、太陽風の速度は上昇を続け、29日3時(世界時28日18時)に600km/秒に達しました。 その後は、550〜600km/秒で推移しています。 最新の部分では、550km/秒を切る方向に変化していて、既に最高速に達してしまったかの様です。 その一方、太陽風磁場の強度は強まったままです。 昨日より10nTと普段の2倍くらいに強まった状態が続き、 最新の部分では更に15nTへ向かって増加する気配があります。 この様子では、これからもう一段、太陽風速度の上昇が起こるかもしれません。 27日周期の図で前周期の変化を見ると、最高速に達したのは6月2日のことで、 これは今周期では今日、29日に相当します。 ただ、SOHOに見えていたコロナホールの規模がそれほど大きくなかったということや、 600km/秒という速度は、コロナホールの高速風としては既に十分上昇した値ですので、 これから更に大きく速度が上がるとは考えにくい面もあります。 太陽風がこれからどのように変化して行くか、注目されます。 太陽風磁場の南北成分は、28日16時(世界時28日7時)から-5nTの南向きが7時間ほど続きました。 この影響で、AE指数で800nT規模の変動が発生しています。 その後は、0nT付近からやや北寄りに推移していて、磁気圏はあまり乱れていません。 現在、速度が高まっていることと、磁場強度が15nT近くとかなり強まっていることから、 南北成分が南寄りに変わった場合、磁気圏が大きく乱れる可能性があります。 磁場強度が下がるまでは、太陽風磁場の変化に注意する必要があります。 太陽写真には、2つの黒点群が見えています。 右が897黒点群、左の新しく上がって来たものが898黒点群です。 897群は磁場構造が複雑になったとお知らせしましたが、目立った活動は起こしていません。 898黒点群もBクラスのとても小さな変動を起こしましたが、活発という見え方はしていません。 太陽のフレア活動は穏やかに推移するでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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