宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 6/24 12:52 太陽風は低速で安定しています(300km/秒)。磁気圏も静穏です。
2006/ 6/25 12:58 太陽風は低速です(300km/秒)。南向き磁場の影響で、小規模の乱れが発生しています。
2006/ 6/26 10:17 太陽風は低速で(300km/秒)、磁気圏は静穏です。明日以降、高速風が来る可能性があります。
2006/ 6/27 09:43 太陽風の速度がかなり遅くなっています(270km/秒)。磁気圏はとても穏やかです。
2006/ 6/28 10:55 コロナホールの影響が現れ始めました。現在の速度は380km/秒。引き続き上昇しそうです。
最新のニュース

2006/ 6/29 10:43 更新
太陽風が高速になっています(550〜600km/秒)。磁場強度は強まったままです(15nT)。

担当 篠原

地球は高速太陽風の領域に入っています。
昨日より、太陽風の速度は上昇を続け、29日3時(世界時28日18時)に600km/秒に達しました。
その後は、550〜600km/秒で推移しています。
最新の部分では、550km/秒を切る方向に変化していて、既に最高速に達してしまったかの様です。

その一方、太陽風磁場の強度は強まったままです。
昨日より10nTと普段の2倍くらいに強まった状態が続き、
最新の部分では更に15nTへ向かって増加する気配があります。
この様子では、これからもう一段、太陽風速度の上昇が起こるかもしれません。
27日周期の図で前周期の変化を見ると、最高速に達したのは6月2日のことで、
これは今周期では今日、29日に相当します。

ただ、SOHOに見えていたコロナホールの規模がそれほど大きくなかったということや、
600km/秒という速度は、コロナホールの高速風としては既に十分上昇した値ですので、
これから更に大きく速度が上がるとは考えにくい面もあります。
太陽風がこれからどのように変化して行くか、注目されます。

太陽風磁場の南北成分は、28日16時(世界時28日7時)から-5nTの南向きが7時間ほど続きました。
この影響で、AE指数で800nT規模の変動が発生しています。
その後は、0nT付近からやや北寄りに推移していて、磁気圏はあまり乱れていません。
現在、速度が高まっていることと、磁場強度が15nT近くとかなり強まっていることから、
南北成分が南寄りに変わった場合、磁気圏が大きく乱れる可能性があります。
磁場強度が下がるまでは、太陽風磁場の変化に注意する必要があります。

太陽写真には、2つの黒点群が見えています。
右が897黒点群、左の新しく上がって来たものが898黒点群です。
897群は磁場構造が複雑になったとお知らせしましたが、目立った活動は起こしていません。
898黒点群もBクラスのとても小さな変動を起こしましたが、活発という見え方はしていません。
太陽のフレア活動は穏やかに推移するでしょう。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

6/28 13:06 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。