宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 6/10 10:51 高速太陽風が続いています(630km/秒)。放射線帯高エネルギー電子が高いレベルです。
2006/ 6/11 13:50 太陽風の速度が下がり始めています(500km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子は高いレベルが続いています。
2006/ 6/12 10:10 太陽風は速度が下がり、穏やかになっています(400km/秒)。
2006/ 6/13 10:48 太陽風、磁気圏ともに穏やかです。放射線帯の高エネルギー電子は、高レベルが続いています。
2006/ 6/14 10:37 太陽風は低速になっています(340km/秒)。磁気圏は静穏です。
最新のニュース

2006/ 6/15 10:22 更新
コロナホールによる高速風が回帰して来ました。速度が上昇しています(550km/秒)。

担当 篠原

27日前の前周期に見えていた、高速風領域が再びやって来ました。

昨日のニュースの後より、太陽風の磁場強度がじりじりと上昇を始めました。
高速風が来る前触れとなる変化です。
14日21時(世界時14日12時)頃には、10nTに達しています。
そして、これに続いて、太陽風の速度もまたゆっくりと上昇を始めました。
本格的に上がり始めたのは15日4時(世界時14日19時)頃からで、
400km/秒から6時間ほどかけて現在の550km/秒に達しています。

27日周期の図で前回の変化を振り返ると、高速風の到来は半日ほど遅くなった様です。
前回は最高の速度が600km/秒くらいでした。
今回も既にその速度に近づいていますが、
速度の上昇が終わる前には磁場強度が下がります。
現在の太陽風を見ると、磁場強度は10nTと高い状態を保ち続けています。
従って、もうしばらくは上昇を続けそうです。
磁場強度が下がり始めれば、速度の上昇も終わりを迎えます。

オーロラ活動に影響を与える、太陽風磁場の南北成分は、
ここまではあまり南向きになっていません。
そのためAE指数の変化も、短時間500nT変化した程度で限定的です。
ACEの図では最後の部分も北寄りで、この状況では磁気圏は穏やかに推移するでしょう。
今後、南寄りに傾向が変わると、オーロラ活動も強められます。

放射線帯の高エネルギー電子は、高速風が来るまでは高いレベルを保っていました。
しかし、現在、磁気圏が高速風の影響を受けていますので、
高エネルギー電子が急速に減少する可能性があります。
今後の変化が注目されます。

太陽のフレア活動はおだやかです。
X線の強度が上昇していますが、これは西の端に沈みかけている活動領域が明るくなったためで、
このあと沈んで行きますから、今後の影響はありません。
893黒点群は、掲載の写真では見えなくなっています。
この後も、太陽は穏やかな状態が続くでしょう。



GOES衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。コロナホールを見るために強調処理をしている。15日10時 (世界時15日01時)。
(c) NOAA/SEC


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。