宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 5/25 10:48 更新 太陽風の速度は遅く(370km/秒)、磁気圏は静穏です。GOES衛星の日食写真を掲載しています。 担当 篠原 1ヶ月前のことになりますが、興味深い映像が得られましたので紹介します。 アメリカの気象衛星GOES-12は、日本の気象衛星ひまわりと同様、静止軌道上にある衛星です。 この衛星には太陽を観測するためのX線カメラが搭載されていますが、 4月27日にちょうど月の影に入ったらしく、部分日食が撮影されていました。 その様子を動画にして掲載します。 (面白い映像だと思うのですが、ほとんど話題になりませんでした) 右から左へ、丸い黒い影が太陽の前を横切っています(もちろん月です)。 日付の文字や強度などを示すグラフが大きくぶれていますが、 これは、元の写真で太陽の位置が中心から外れていたのを補正したためです(オリジナルの動画)。 恐らく、太陽が半分以上隠されたために、 衛星の姿勢を決める太陽センサーの指す向きが、ずれてしまったためでしょう。 この1ヶ月前の新月、3月29日には、リビアやトルコなどで皆既日食が観測されています。 地球付近で、太陽と月が重なりやすい位置関係にあったということでしょうか。 さて、400km/秒と静穏に戻った太陽風ですが、更に370km/秒まで速度を下げています。 磁場強度(ACEの白線)は5nTと普通の状態で、南北成分(赤線)は図の前半に弱い南向きが見られています。 このため、AE指数も図の前半で小さな変動が連続して見えています。 どれもとても小規模の活動です。 ACEの図では、最後(最新)の部分で、磁場強度が急に0nT付近に落ち込んでいます。 2時間ぐらい、磁場がとても弱い状態になっている様です。 何かが起こるという訳ではありませんが、 太陽風のどういう変化を示しているのか、このあとに興味が持たれます。 27日周期の図によると、前周期のちょうど今頃に太陽風の小規模な速度上昇が発生しました。 速度は最大で450km/秒とたいしたものではなく、一時的にオーロラ活動が活発になった程度です。 今周期も同様の変化が見られるでしょうか。 太陽のフレア活動は、穏やかな状態が続いています。 現在、3つの黒点群が見えていますが、活動的なものはありません。 静止軌道のGOES-12衛星が見た部分日食(X線カメラ)。4月27日18:00〜19:20 (世界時4月27日09:00〜10:20)。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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