宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 5/ 5 14:15 更新 太陽でフィラメント消失が発生し、CMEも観測されています。太陽風磁場の南向きの影響で、磁気圏がやや乱れています。 担当 篠原 4日10時(世界時3日1時)に、太陽でフィラメント消失が発生し、 それに続いてCME(太陽ガスの放出現象)が観測されています。 SOHO衛星のEIT195とLASCO C3カメラの動画を掲載しています。 緑色のEIT195の動画では、太陽の南側(下側)半分の領域から、 黒い筋が吹き上がるように飛び出して行く姿が撮影されています。 かなり淡い筋なので、よく見なければ気付かないかもしれません。 フィラメントが舞い上がった後、太陽面で明るいガスがゆらめく様子も見えています。 このフィラメント消失に伴って、CME(太陽ガスの放出現象)が発生しました。 青いLASCO C3の動画では、フィラメント消失の発生した方向である南西(右下)に向かって、 白い太陽ガスが飛び出している様子が見えます。 ガスの飛び出しは、南西方向が中心ですが、その一部が地球方向にも向かっている可能性があります。 3日後くらいに、このCMEの影響で太陽風に乱れが発生するかもしれません。 さて、磁場強度が強まっているとお知らせしていた太陽風ですが、 昨日のニュース以降、-10nTの強い南向きが長い時間続きました。 ACEの図の最初の部分で、4日16時(世界時4日7時)から4日21時(世界時4日13時)くらいまで、 6時間にわたっています。 また、図の後半部分、5日7時(世界時4日22時)から5日13時(世界時5日4時)でも、 -5nTとやや弱まっていますが、長い南向き磁場が観測されています。 太陽風の速度は330km/秒と低速だったのですが、 南向きが強まったため、オーロラ活動と弱い磁気嵐が発生しています。 AE指数では最大で1000nTに達する変化が観測されていますし、 沖縄の磁場データは静穏レベル(青い横線)から-50nT程度急に低下しています。 速度が遅かったので、どちらも比較的小規模の活動にとどまっています。 激しい磁気圏活動が起こるためには、南向き磁場と速度の両方が強まる必要があります。 今回の太陽風の乱れは、 結果的に、磁場強度だけが強まって速度は低速のまま、 大きく長時間の南向きが発生して磁気圏活動を活発にした、 などの点で前周期の4月4-5日の変化に似ていたと言えるかもしれません。 太陽にこのような太陽風の変化を作るような構造ができていたのでしょうか。 この後、コロナホールによる本格的な高速風がやって来ると予想されます。 速度が上昇を始めると、磁気圏活動を一気に活発にしますので、 引き続き注意してください。 磁場強度は現在も10nTと高く、再び南向きが強まり、速度上昇が重なると、 より激しい変動をもたらします。 太陽では、東端(左端)から新しい黒点群が上がって来ました。 C1の小さな小規模フレアを起こしています。 規模は小さいので、これ以上の活発な活動を起こすことは現時点ではなさそうです。 SOHO EIT195カメラによる、4日10時(世界時4日1時)のフィラメント消失。南側(下側)半分で発生している (c) ESA & NASA SOHO LASCO C3カメラによる、4日10時(世界時4日1時)のフィラメント消失に続いて発生したCME。 (c) ESA & NASA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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