宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CARISMA)
オーロラ(衛星) (NICT)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙環境情報
太陽地球環境予報
太陽地球環境情報サービス
宇宙天気システムグループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 4/10 10:15 磁気圏活動が活発になっています。小規模の磁気嵐になっています。太陽風の速度は680km/秒に上昇しています。
2006/ 4/11 13:29 高速風領域は後半に入り、太陽風の速度は570km/秒に下がっています。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。
2006/ 4/12 10:42 太陽風の速度は450km/秒へさがりました。磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/13 10:30 太陽風の速度は400km/秒で普通の速さです。磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/14 12:40 太陽風磁場が大きく南を向いています(-12nT)。速度が高くなっているため(550km/秒)、磁気圏が大きく乱れそうです。
最新のニュース

2006/ 4/15 08:36 更新
太陽風磁場の強い南向きの影響で、磁気圏活動がとても活発になっています。磁気嵐も発生しています。

担当 篠原

昨日のニュース以降も、太陽風磁場の強い南向きが長い時間続き、
磁気圏は大きく乱れました。
現在はだいぶ落ち着いています。

ACE衛星の観測によると、
14日9時(世界時14日0時)頃から大きく南を向き始めた太陽風磁場は、
3時間後に-15nTに達し、強い南向きが7時間続きました。
その後、南向きは一旦弱まりましたが、
14日23時(世界時14日14時)頃からは、
-5nTの安定した南向きが6時間にわたって続いています。
この間、太陽風は500〜550km/秒の高速状態でした。

この太陽風の影響で、磁気圏の活動がたいへん活発になりました。
AE指数では、1000nT規模の活動が連続的に発生し、
最大で1500nTを越える激しい変動が観測されています。
(シベリアも大きく乱れています)
また、沖縄の磁場データでは、磁場強度が静穏レベルより-170nTも下がっています。
地球を囲んで流れる環電流が急激に発達した事を示しています。
世界的な観測では、Dst指数は-120nTに達しており、
中規模の磁気嵐となっています。

ただ、印象としては、強い南向き磁場が長時間続いた割に、
磁気圏の乱れ方が控えめだった様に感じます。
高速風帯に入っていた太陽風の速度が、500km/秒を越える程度と、
それほど高まらなかったためだと思います。
600〜700km/秒の高速状態に達していた場合には、
かなり激しい活動が見られたでしょう。

現在、太陽風の磁場強度は5nTに弱まっています。
雰囲気としては、高速風はピークに達し、
これからは下がっていきそうなのですが、
SOHO EIT284の太陽写真では、コロナホールは、
まだ影響域にしっかりと残っています。
もう2〜3日くらいは影響がありそうですが、
このままの状態が続くのか、再び乱れ始めるのか、注目されます。

激しい磁気圏活動に続いて、放射線帯の高エネルギー電子が急激に増加しています。
青線のGOES10は、10の4乗の警戒ラインを一気に越え、6x10^4に達しています。
一方、赤線のGOES12は、警戒ラインにも達していません。
磁気圏が大きく乱れているために、2つのGOES衛星でずいぶん違う数値になっています。
いずれにせよ、高エネルギー電子が増加した状態が継続すると思われます。
衛星の運用などでは注意が必要です。

太陽は穏やかな状態が続いています。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。