宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 4/15 08:36 更新 太陽風磁場の強い南向きの影響で、磁気圏活動がとても活発になっています。磁気嵐も発生しています。 担当 篠原 昨日のニュース以降も、太陽風磁場の強い南向きが長い時間続き、 磁気圏は大きく乱れました。 現在はだいぶ落ち着いています。 ACE衛星の観測によると、 14日9時(世界時14日0時)頃から大きく南を向き始めた太陽風磁場は、 3時間後に-15nTに達し、強い南向きが7時間続きました。 その後、南向きは一旦弱まりましたが、 14日23時(世界時14日14時)頃からは、 -5nTの安定した南向きが6時間にわたって続いています。 この間、太陽風は500〜550km/秒の高速状態でした。 この太陽風の影響で、磁気圏の活動がたいへん活発になりました。 AE指数では、1000nT規模の活動が連続的に発生し、 最大で1500nTを越える激しい変動が観測されています。 (シベリアも大きく乱れています) また、沖縄の磁場データでは、磁場強度が静穏レベルより-170nTも下がっています。 地球を囲んで流れる環電流が急激に発達した事を示しています。 世界的な観測では、Dst指数は-120nTに達しており、 中規模の磁気嵐となっています。 ただ、印象としては、強い南向き磁場が長時間続いた割に、 磁気圏の乱れ方が控えめだった様に感じます。 高速風帯に入っていた太陽風の速度が、500km/秒を越える程度と、 それほど高まらなかったためだと思います。 600〜700km/秒の高速状態に達していた場合には、 かなり激しい活動が見られたでしょう。 現在、太陽風の磁場強度は5nTに弱まっています。 雰囲気としては、高速風はピークに達し、 これからは下がっていきそうなのですが、 SOHO EIT284の太陽写真では、コロナホールは、 まだ影響域にしっかりと残っています。 もう2〜3日くらいは影響がありそうですが、 このままの状態が続くのか、再び乱れ始めるのか、注目されます。 激しい磁気圏活動に続いて、放射線帯の高エネルギー電子が急激に増加しています。 青線のGOES10は、10の4乗の警戒ラインを一気に越え、6x10^4に達しています。 一方、赤線のGOES12は、警戒ラインにも達していません。 磁気圏が大きく乱れているために、2つのGOES衛星でずいぶん違う数値になっています。 いずれにせよ、高エネルギー電子が増加した状態が継続すると思われます。 衛星の運用などでは注意が必要です。 太陽は穏やかな状態が続いています。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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