宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 4/ 5 23:57 太陽風磁場が北を向きました。磁気圏の乱れはひとまず落ち着くでしょう。
2006/ 4/ 6 13:29 太陽風磁場が北向きに切り替わり、磁気圏は穏やかになっています。C8の小規模フレアが発生しました。
2006/ 4/ 7 12:42 中規模フレアが2回発生しています。太陽風の速度は下がり、磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/ 8 13:15 太陽風はやや遅く(350km/秒)、磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/ 9 12:38 太陽風速度の上昇が始まりました。強い南向き磁場の影響で、オーロラ活動が発生しています。
最新のニュース

2006/ 4/10 10:15 更新
磁気圏活動が活発になっています。小規模の磁気嵐になっています。太陽風の速度は680km/秒に上昇しています。

担当 篠原

昨日のニュース以降、太陽風の速度は上昇を続け、
9日20時(世界時9日11時)頃に600km/秒、
10日9時(世界時10日0時)には680km/秒に上がっています。
コロナホールの見え方や、27日周期の前周期の変化などと比べて考えると、
予想以上に高速になったと思います。

27日周期の図の、4月9日の部分を見ていただきたいのですが、
高速風が到来する(速度(緑色線)が上昇する)前には、
磁場強度(青線)が先に強まるという性質があります。
今回の高速風でも、磁場強度は15〜20nTへ強まっています。
この様な時に、南向き磁場(赤線)も強いものが現れやすくなり、
速度の上昇と重なって強い磁気圏活動を起こしやすくなります。

今回も、オーロラ活動を示すAE指数で
500〜1000nT(最大は1500nT)規模の活動がここまで続いています。
また、ACEの図の赤線で、9日12時半から14時半(世界時9日3時半から5時半)にかけて
-15nTに達する強い南向き磁場が見られています。
この影響で沖縄の磁場強度が一気に100nT近く下がる現象が観測されています。
地球を囲むように流れる環電流の急な発達を示しています。
世界規模の観測でも小さな磁気嵐となっているようです(Dst指数で-50nT)。

ACE衛星の図を見ると、太陽風の磁場強度は5nTへ弱まっています。
このことより、既に速度は最大に達していると思われます。
磁場強度が下がったことで、強い南向きは発生しなくなっています。
しかし、速度が高まっていますから、弱い南向きでも影響は大きくなります。
(速度と南向き磁場強度の重ね合わせで、磁気圏への影響が決まります)
高速風が続いている間は、磁気圏活動への注意が必要です。

コロナホールの規模から考えると、この高速風はそれほど続かないと思われます。
これからゆっくり低下を始め、明日にかけて下がって行くのではないでしょうか。

太陽のフレア活動は、静穏です。
太陽写真の東端(左端)に、小さく黒点が見えています。
規模も小さく、X線の動画を見ても目立った活動は起こしていません。
太陽は穏やかな状態が続くでしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。