宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 4/ 3 11:11 太陽風速度が270km/秒まで減少しました。
2006/ 4/ 4 12:15 865、867黒点群が小規模フレアを起こしています。太陽風、磁気圏は静穏です。
2006/ 4/ 4 23:50 太陽風磁場が安定して南に向いています。弱い磁気嵐が発達しつつあります。
2006/ 4/ 5 12:34 太陽風磁場の南向きが安定して続いています。弱い磁気嵐状態になっています。
2006/ 4/ 5 23:57 太陽風磁場が北を向きました。磁気圏の乱れはひとまず落ち着くでしょう。
最新のニュース

2006/ 4/ 6 13:29 更新
太陽風磁場が北向きに切り替わり、磁気圏は穏やかになっています。C8の小規模フレアが発生しました。

担当 篠原

4日15時半(世界時4日6時半)に始まった太陽風磁場の南向きは、
延々と31時間にわたって続き、5日22時半(世界時5日13時半)に終わりました。
全体像を見るために、ACE衛星の3日間の図を一枚目に掲載しています。
赤線が太陽風磁場の南北成分を示しています(プラス=北、マイナス=南)。
-5nTから-10nTのマイナスへの変化(南向き)が、
安定した状態で長時間続いているのが見えます。
このような磁場変化が発生した原因については、分かりませんでした。

今回は、南向き磁場が最大で-10nTを越えるほどの強さになりました。
このため、太陽風の速度が350km/秒と遅い状態だったにも関わらず、
しっかりとした磁気圏の乱れを起こしています。
AE指数では1000nT規模の変動が見られていますし、
沖縄の磁場データは、静穏値(青線)から100nTを越える減少を観測しています。
中規模の磁気嵐となっていた様です。

太陽風磁場が北向きに切り替わった後は、磁気圏へのエネルギーの流れ込みが停止しています。
このため、AE指数は穏やかになり、沖縄の磁場データは静穏値へ向かって戻り始めています。
コロナホールの影響で、太陽風の速度が450km/秒へと上昇しているのですが、
磁気圏活動は静穏に戻っています。

27日周期の図を参考にすると、
この高速風はもう少し上昇して、明日くらいまで続くかもしれません。
ただ、太陽面の活動領域が27日前と変わっていますので、
高速風の様子も変わっている可能性があります。
太陽風磁場が南向き傾向に切り替わると(最新の部分ではその傾向が見えます)、
オーロラなどの活動も再び活発になるでしょう。

一方、SOHO EIT284の太陽写真では、中心のやや左に、暗くコロナホールが見えています。
4日ほど経つと、続いてこちらの影響による高速風が見られるでしょう。

太陽では、867黒点群が6日0時(世界時5日15時)に、
C8の大きめの小規模フレアを起こしています。
X線のグラフがとても細い、短時間型のフレアです。
動画では、867黒点群はちかちかと明滅を繰り返しています。
やや活動的になっている様です。
865黒点群と共に、引き続き注目する必要があります。



ACE衛星による、3日間の太陽風の変化。太陽風磁場が31時間にわたって南を向いていた(赤線)。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。