宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 3/18 12:58 太陽風は通常の速度で,磁気圏は静穏です。
2006/ 3/19 13:33 高速太陽風がやってきました。現在の速度は650km/秒。弱い磁気嵐が発生しています。
2006/ 3/20 13:42 太陽風は速度が一段と上昇しています(700km/秒)。南向き磁場の影響で、磁気圏活動が活発です。
2006/ 3/21 12:37 高速風領域は後半に入っています(600km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。
2006/ 3/22 13:14 高速太陽風が続いていて(600km/秒)、磁気圏活動も続いています。862黒点群が小規模フレアを頻発させています。
最新のニュース

2006/ 3/23 14:05 更新
太陽風の速度は低下して450km/秒に下がっています。862黒点群の活動も弱まっています。

担当 篠原

地球は高速の太陽風領域から抜け出しつつあります。
昨日のニュースの後、太陽風の速度は低下傾向に入り、
約1日かけて、600km/秒から450km/秒へと下がりました。
ほぼ通常の速度か、やや速いという程度の速度です。

磁場強度も2〜3nTまで弱まっています。
北に寄ったり南に寄ったり、ゆったりとした変化をしていて、
その結果、南を向いた時間帯に(図の後半)、小規模のオーロラ活動を起こしています。
AE指数で500nTを切る程度の規模の変動です。

今後も太陽風は速度の低下が続き、磁気圏は穏やかな状態になるでしょう。

SOHO EIT284の太陽写真を、最新のもの(左)と、27日前のもの(右)で比較してみましょう。
どちらがどちらなのか、気にしなくてもいいほど良く似ています。
唯一、急に活動が現れた862黒点群の周辺が明るくなっている程度です(西の端付近)。
従って、今後の太陽風の変化も、27日前と同様の変化になるのではないでしょうか。
そう考えると、今後は基本的には太陽風の速度が遅めの穏やかな状態が続きそうです。
SOHO EIT284には細長いコロナホールが見えていますが、大きな影響はなさそうです。
2月26日と、2月28日以降に太陽風の磁場に乱れが見られ、
その影響で小規模の磁気圏活動が発生している様です。
同様の活動が見られるかもしれません。

放射線帯の高エネルギー電子は高いレベルが続いています。
ゆっくり減衰する性質がありますので、しばらく注意が必要でしょう。

急に小規模フレアを起こして注目された862黒点群ですが、規模が縮小している様です。
今日の太陽写真では、注意しないと気付かない見え方になっています。
X線のグラフも落ち着いていて、変化が乏しくなっています。
太陽のフレア活動は穏やかな状態になりそうです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

3/22 19:06 UT

2/23 19:07 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。