宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 3/14 17:42 太陽風は速度が下がり(350km/秒)、磁気圏も穏やかです。まだ次の高速風は来ていません。
2006/ 3/15 12:40 太陽風の磁場強度が強まっています。これから高速風帯に入る可能性があります。
2006/ 3/16 13:44 550km/秒の高速風が来ました。現在もやや高速が続いています。磁気圏は概ね静穏です。
2006/ 3/17 14:28 太陽風の速度は通常レベルに下がっています。比較的小規模のオーロラ活動が見られています。
2006/ 3/18 12:58 太陽風は通常の速度で,磁気圏は静穏です。
最新のニュース

2006/ 3/19 13:33 更新
高速太陽風がやってきました。現在の速度は650km/秒。弱い磁気嵐が発生しています。

担当 篠原

昨日のニュース直後の、18日17時(世界時18日8時)から太陽風の速度が上昇しました。
速度は、400km/秒から500km/秒に短時間に上がり、10時間ほどその状態が続きました。
そして、再び緩やかな上昇が始まって、現在は650km/秒に上がっています。
昨日のニュースで詳しく検討しましたが、前周期と比較すると1日ほど早く高速風が到来しました。

一方、太陽風磁場の強度も10nT近くに強まっています。
地球磁気圏への影響を決定する南北成分(赤線)を見ると、
南寄りの時間がかなり続いています。
時に-10nTと大きく南を向いたことと、速度が高まっている事とがくみ合わさって、
磁気圏への影響はかなり大きくなっています。

オーロラの活動を示すAE指数のグラフは、久しぶりに活発になっています。
ほぼ一日に渡って1000nT前後の活動が続いています。
磁気圏の活発な活動ぶりは、シベリアの磁場デーテでも見ることができます。
一方、低緯度にある沖縄の磁場データを見ると、
磁場強度(赤線)が、静穏時のレベル(青の横線)から-70nT程度下へ下がっています。
これは、地球を囲むように流れる環電流が発達していることを意味しています。
小規模ですが、磁気嵐が発生しています。

前周期を参考にすると、高速風は4日ほど続くでしょう。
高速風が続いている間は、太陽風磁場が南を向くとオーロラが活発になります。
太陽風は、速度としては最高速に達していると思われます。
その場合、磁場強度はこれから弱まっていくでしょう。
そして、南向き磁場も小幅に留まるようになり、磁気圏の活動度は弱まっていきます。

太陽のフレア活動は穏やかです。




ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。