宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CARISMA)
オーロラ(衛星) (NICT)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙環境情報
太陽地球環境予報
太陽地球環境情報サービス
宇宙天気システムグループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 3/ 2 13:49 太陽風磁場が南北に振動して、小規模のオーロラ活動が発生していました。現在は静穏です。
2006/ 3/ 3 12:33 太陽風の速度は400km/秒です。太陽風磁場が北寄りになっているため、磁気圏は穏やかです。
2006/ 3/ 4 08:59 太陽風速度は380km/秒。磁気圏はとても穏やかです。
2006/ 3/ 5 13:29 太陽風は速度が低下して、遅くなっています(340km/秒)、磁気圏はとても穏やかです。
2006/ 3/ 6 13:34 太陽風の速度は一段と下がり、とても低速です(300km/秒)。磁気圏はとても穏やかです。
最新のニュース

2006/ 3/ 7 12:26 更新
太陽風の磁場が大きく乱れ、南向きの影響でオーロラ活動が活発になりました。

担当 篠原

昨日の予想は見事に外れ、太陽風の磁場に乱れが発生しています。
6日13時(世界時6日4時)頃に、太陽風磁場のセクター境界が観測されました。
太陽風磁場の大まかな方向が、
「太陽から地球方向」から、「地球から太陽方向」へ変化したのです。
この変化自体は、宇宙天気に目立った影響は与えません。
しかし、この切り替わり以降、太陽風の様子が大きく変化したのです。

太陽風磁場の強度が急に強まり、10nTから、最大で15nTまで強まりました。
南北成分は、6日20時(世界時6日11時)から、南寄りに傾向が変わりました。
その直後から-5nTの南向きが続き、
磁場強度が15nTに達した7日4時半(世界時6日19時半)からは、
-10nTの強い南向きが約5時間にわたって続きました。

この間、太陽風の速度も上昇して、
それまでの300kkm/秒から、400km/秒近くまで上がりました。
ただ、高速というほどではなく、通常状態と言える程度の速度です。

南向き磁場が強まった結果、磁気圏の活動が活発になりました。
シベリアの磁場データを見ると、1000nTの幅の変化が観測されています。
一方、AE指数では、500nTとやや小規模の観測に留まっています。
ただし、これは現時点で収集されている観測データが少ないためではないでしょうか
(図の色から判断すると、3観測点にとどまっている様です)。
シベリアの観測を参考にすると、
AE指数でも1000nT程度の変化が観測されている可能性があると思います。

また、沖縄の磁場データは、静穏レベルから-50nTほど低下する変化が見えています。
強い南向きの影響で、弱い磁気嵐が発生していると思われます。

今回の磁気圏活動は、活発ですが、大きなものにはなりませんでした。
それは、速度が400km/秒と、高速にはならなかったためです。

現在の太陽風は、速度は400km/秒のままですが、磁場強度は7nTくらいに弱まっています。
そして、南北成分は南寄りから、北寄りに変わりつつある様です。
このまま北寄りで安定すると、磁気圏の活動はおとなしくなるでしょう。

また、今回の太陽風の乱れは、それほど長くは続かず、
明日くらいにかけて次第に収まって行くのではないかと思います。


続いて、太陽の状況ですが、フレア活動はとても穏やかです。
掲載している写真では見つけることができませんが、
黒点群は856、857群ととても小さな黒点群が2つあるそうです。
こちらは、穏やかな状態がつづくでしょう。



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。