宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 1/11 12:32 太陽風はとても低速(280km/秒)です。太陽には小さな黒点群がひとつ見えているだけで、こちらも穏やかです。
2006/ 1/12 13:48 太陽風は低速(300km/秒)のままです。南向き磁場の影響で、小規模の磁気圏活動も見られている様です。
2006/ 1/13 11:50 低速の太陽風が続いており(300km/秒)、磁気圏は概ね静穏です。
2006/ 1/14 15:35 フィラメント消失でCMEが観測されています。地球への影響はなさそうです。磁気圏は静穏です。
2006/ 1/15 15:45 太陽は350km/秒へ小幅の速度上昇をしています。コロナホールの影響はまだはっきりしません。
最新のニュース

2006/ 1/16 11:50 更新
コロナホールの影響が始まりました。太陽風は430km/秒へ速度が上昇しています。引き続き上がりそうです。

担当 篠原

10日のニュースで、SOHO衛星のLASCO C3カメラに金星が見えてきたことをお伝えしましたが、
金星はその後太陽の上の方を通過し、視野を去りつつあります。
そして、続いて右下に水星の姿が見えてきました。
ちょうど今、地球-金星-太陽-水星とほぼ一列に並んでいるのです。
この動画を見ると、金星が右に、水星が左に動いている様子が良くわかります。

さて、コロナホールによる高速風がやってきました。
ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は昨夜よりゆっくりと上昇を始め、
330km/秒から430km/秒くらいまで上がっています。
昨日のニュースに書いた様に、本格的な速度上昇とともに、太陽風の磁場強度も強まっています。
磁場強度は5nTから12nTくらいまで上がっています。
磁場強度はまだ上昇傾向にあるので、速度ももう一段上がるのではないかと思われます。
27日前のデータを参考にすると、今夜くらいに最大値に達しそうです。
前周期は600km/秒くらいまで上昇しました。

速度が上がっていますが、太陽風磁場は北寄りになっていて、磁気圏の活動度はあまり上がっていません。
シベリアのデータも、小規模の変動を捉えている程度です。
今後、磁場が南寄りに切り替わると、そこからオーロラ活動も活発化するでしょう。
高速風は3日程度続きそうです。

太陽では、中心とやや右寄りの2カ所に新しい小さな黒点群が発生しました。
846、847黒点群と番号が付いた様です。
この影響で、X線のグラフが上昇しています。
ただ、どちらも小規模な黒点群で、現時点では特に高い活動レベルにある訳ではありません。
基本的には穏やかな太陽状態が続いています。



内合を過ぎて去りつつある金星(右上)と、これから外合に向かう水星(右下)。SOHO LASCO C3カメラ。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。