宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/12/ 2 11:50 高速の太陽風が続いています(700km/秒)。826黒点群が小規模フレアを頻繁に起こしています。
2005/12/ 3 11:44 826黒点群のフレア活動が活発化し、中規模フレアが頻発しています。高速太陽風が続いています。
2005/12/ 4 10:59 826黒点群はやや落ち着いています。太陽風の速度は下がり始めました。
2005/12/ 5 14:00 太陽風の速度は540km/秒に下がっています。太陽のフレア活動も穏やかになっています。
2005/12/ 6 13:04 太陽風は通常レベルまで速度が下がりました。磁気圏もとても静穏です。
最新のニュース

2005/12/ 7 13:06 更新
太陽風、磁気圏ともに穏やかです。太陽のフレア活動も見られません。

担当 篠原

穏やかな太陽風が続いています。
速度は400km/秒からやや下がって、380km/秒くらいになっています。
通常のレベルの速度と言ってよいでしょう。
太陽風の磁場は、強度が3nTで安定しています。
南北成分を見ると、図の前半部で弱い南向きが発生していました。
しかし、シベリアの磁場データなどを見ても、目立った変動はありません。
磁場が小さかったことや、速度が下がっているためでしょうか。

今後の変化について、27日周期の図をご覧下さい。
太陽は27日で自転しています。
このため、27日の周期で太陽風は同じ変化をする傾向があります。
太陽風の周期性を利用することで、27日前のデータを参考にして今後の予想を立てる事ができます。

今日、12月7日の27日前は11月10日です(図の時刻は世界時です)。
11月10日以降の太陽風の速度を見ると、図の最後まで、
10日間にわたって400km/秒前後の穏やかな状態が続いています。
一方、太陽風の磁場強度(青線)は、図の変化ではわずかですが、
11月11日から4日間ほど10nT弱に強まっています。
南北成分(赤線)を見ると、比較的南寄り(マイナス側)になっていることがわかります。

この影響でしょう、速度が低い割に、やや活発な磁気圏の活動が見られています。
図の中では沖縄の磁場データから作成した、
ピンク色の線がマイナスに下がっている事、水色の線が不規則にプラスに増加している事、
などが磁気圏活動の活発化を示しています。
これを今後に対応させると、明日、12月8日頃から太陽風の磁場に変化が現れ始め、
12月11日にかけて、磁気圏活動がやや活発化する可能性があります。
速度が遅いため、大きな活動にはなりませんが、
オーロラが極域の空を飾るには十分なのではないでしょうか。

太陽のフレア活動は穏やかです。
GOES衛星のX線データには何の変化も観測されていません。
826黒点群らの規模も縮小しています。



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。