宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/11/15 15:12 822黒点群が、中規模フレアなど活発な活動を起こしています。
2005/11/16 12:06 M1.4の中規模フレアが発生しました。822黒点群は活動を続けています。
2005/11/17 12:45 822黒点群はC5.9の小規模フレアを起こしています。フィラメント消失により小規模のCMEが観測されています。
2005/11/18 12:25 太陽風の速度がとても遅くなっています(280km/秒)。822黒点群がM1.2の中規模フレアを起こしています。
2005/11/19 10:34 太陽風は速度がやや上がっていますが、静穏です。磁気圏も概ね穏やかです。
最新のニュース

2005/11/20 14:03 更新
19日21時(世界時19日12時)頃にCMEによる太陽風の乱れが届いた様です。

担当 篠原

17日0時(世界時16日15時)頃に太陽で発生したフィラメント消失にともなって発生した
CME(太陽ガスの放出現象)による太陽風の乱れが、
19日21時(世界時19日12時)頃に地球にやってきた様です。
比較的小さな乱れですが、ACE衛星の太陽風データを見ると、
速度(黄色線)と密度(橙色線)がそれぞれ上昇しています。
ただし、上昇後の速度(400km/秒)から考えると、到着がやや早すぎるようでもあり、
CMEとは関係ない乱れの可能性もあります。

乱れの到来とともに太陽風磁場が急に大きく南を向き(-10nT)、
10時間ほどかけて南から北へと切り替わっています。
CMEによって、磁場の大きなかたまりが飛んできたことによる磁場変化でしょう。

太陽風磁場が大きく南を向くと、磁気圏の活動が強まりますが、
今回は太陽風の速度が400km/秒を切る程度だったため、それほどの乱れにはなっていません。
シベリアの磁場データを見ると、最大で500nT程度の変化幅で、
小規模のオーロラ活動が見られた程度の様です。

現在の太陽風速度は400km/秒で、通常の速度レベルです。
CMEによる乱れは既に通過したようで、
磁場強度は下がり、南北磁場の振幅も小さくなっています。
磁気圏は、ひとまず穏やかな状態に戻りそうです。

27日周期の図を見ると、明日から明後日にかけて、
セクター境界、続いて速度の上昇、という変化が見られるかもしれません。

太陽では822黒点群がゆっくりと勢力を弱めている様です。
昨日のニュース以降はC1.5の小さな小規模フレアを起こした程度です。
ただ、規模はまだ大きいので、引き続き小規模、中規模のフレアは起こす可能性があります。
黒点写真にはまだ番号がついていませんが、822黒点群の右下に新しく823黒点群ができています。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。