宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/10/28 12:10 太陽風はやや高速です(450km/秒)。南向き太陽風磁場に合わせて、オーロラの活動が見られています。
2005/10/30 20:57 太陽風は低速で(340km/秒)、宇宙天気は穏やかです。
2005/10/31 13:01 太陽風の速度がやや上がっています(400km/秒)。コロナホールが姿を見せています。
2005/11/ 1 10:41 太陽風磁場の大きな南向きによって、オーロラ活動が活発になっています。
2005/11/ 2 12:06 太陽風速度は減少し、宇宙天気は穏やかな状態です。
最新のニュース

2005/11/ 3 12:06 更新
コロナホールの影響で、太陽風の速度が上がっています(600km/秒)。変化が1日ほど早まっています。

担当 篠原

3日3時(世界時2日18時)頃から太陽風の速度が上昇を始めました。
SOHO EIT284の太陽写真に見える、コロナホールの影響だと思われます。
600km/秒に達したところで安定しています。
速度の上昇に先立って太陽風磁場の強度も上がっており、10nTを前後しています。

太陽が一回転する、27日前のSOHO EIT284の太陽写真と比較すると、
コロナホールの位置はほぼ同じです。
このため、前周期と同様の太陽風の変化が見られると予想していたのですが、
27日周期の図を見ると、高速風の到来は1日早まっています。
具体的な理由は分かりませんが、興味深い変化です。

前周期では、高速風は4日ほど続きました。
今回、開始が早まっているので、終わりも同様に早まるのか、
終わりは前回と同じ頃になるのか、変化が注目されます。

太陽風磁場の南向きが、短い時間ですが-5〜-10nTの規模で度々出現しています。
速度が上がったこともあり、オーロラ活動をやや活発に起こしています。
シベリアの磁場データを見ると、500nT程度の比較的小規模の変化が観測されています。

太陽風の磁場強度はこれから次第に弱まっていくでしょう。
すると強い南向きは出にくくなりますので、オーロラの規模も比較的小規模なものに留まります。

太陽のフレア活動はほとんどなく、穏やかです。
EIT284で見えていた明るい部分がこちら側に上がってきましたが、
目立った黒点も無く、活動度は低い領域でした。
今後も穏やかな状態が続くでしょう。

今日は、カムチャッカ半島より更新しています。
周囲の山は白く雪をかぶっていますが、今日のところは心配していたほどの寒さではありませんでした。
滞在中に機会があれば、こちらの観測所の風景などをご紹介したいと思います。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

11/ 2 13:06 UT

10/ 6 13:06 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。