宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 9/16 11:54 更新 太陽風に大きな乱れが発生し、オーロラ活動が活発でした。808黒点群は依然活動的です。 担当 篠原 ACE衛星の観測によると、15日17時半(世界時15日8時半)頃から太陽風に大きな乱れが発生しました。 速度は、それまでも550km/秒と高速だったのですが、 次第に上昇して800〜900km/秒まで上がりました。 磁場強度も10〜20nT程度に大きく強まりました。 これは、14日5時(世界時13日20時)のX1.5大規模フレアの時に発生した、 CME(太陽ガスの放出現象)の影響と思われます。 磁気圏への影響を決定する、太陽風磁場の南向き成分(ACEの図の赤線マイナス成分)も、 -5〜-10nT程度に強まりました。 速度が高かった事もあり、磁気圏ではオーロラ活動がかなり活発化しました。 オーロラの活動度を示すAE指数のグラフを見ると、 1000〜1500nTの規模の激しいオーロラ活動が連続して観測されています。 特に、太陽風磁場の南向きが最も強まった、15日23時〜16日1時(世界時15日14〜16時)頃は、 オーロラ活動も特に激しくなっています。 この時、珍しい現象がアメリカの気象衛星GOESで観測されました。 今日の2枚目の図をご覧下さい。 これは、静止衛星で観測した磁場の北向き成分の変化です。3日分を示しています。 図のまんなか付近の赤線(GOES 12衛星)に注目してください。 2回ほど、細く針の様に下へ振れている部分があります。 これらは、0の線を越えて-20nT、-50nTまで達しています。 これは、太陽風が高速で磁場が大きく南を向いたために、地球の磁気圏がどんどんはぎ取られてしまい、 静止衛星が地球の縄張りである磁気圏から、 外側の太陽風の領域に飛び出てしまったことを示しています。 普段、磁気圏と太陽風の境目は地球の半径の10倍程度のところにあります。 しかし、今回、太陽風の乱れが大きかったため、磁気圏がどんどんはぎ取られて、 地球半径の6.6倍のところにある静止衛星の内側まで小さくなってしまったのです。 この現象は、太陽風の乱れがある程度大きくなると発生し、 ちょうどその時にGOES衛星が昼間側にあると観測されます。 昨日のアラスカは夕暮れとともに好天になり、一晩中オーロラを見ることができたようです。 オーロラツアーで出かけていたら、とうとう寝る事ができなかったでしょう。 その中でも最もきれいだった時間の約1時間分を、ライブカメラの画像から動画にして掲載します。 ファイルサイズがかなり大きくなってしまった(3.5MB)ため、回線が細い方にはご迷惑をおかけします。 動画の途中からは高いところで赤いオーロラが光り、オーロラがカーテンの様に見えています。 さて、太陽風は乱れのピークを越え、現在は速度が700km/秒とまだ高速ですが下がりつつあります。 磁場の強度も5nT弱へ下がっています。 磁気圏の乱れは、次第に収束に向かうでしょう。 太陽では、808黒点群が依然活発で、 昨日も15日17時半(世界時15日8時半)にX1.1の大規模フレアを起こしています。 そのほかにも、MからCの中小規模フレアを数多く起こしています。 今朝、16日10時半(世界時16日1時半)にも、M4.5の中規模フレアが起きています。 808黒点群は現在も規模が大きく、今後もフレア活動に注意が必要です。 太陽放射線(非常に高速のプロトン粒子)は強度が低下しています。 警戒ラインの10PFUを切っています。 放射線帯の高エネルギー電子は、昨日のオーロラ活動の影響で強度を下げています。 警戒ラインである10の4乗の線は切っています。 ただし、今後、高速太陽風の影響で再上昇する可能性がありますので、注意してください。 アラスカライブカメラによる、日本時間9月15日19時(現地9月15日2時)のオーロラの様子。 (c) NICT/SALMON GOES衛星が観測した磁場の北向き成分。赤線が針の様にマイナスに振れている箇所があるが、これは衛星が磁気圏の外側に出てしまったことを示している。 (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
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