宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2005/ 9/15 12:26 更新 まもなく高速太陽風が来るでしょう。磁気圏が激しく乱れる可能性があります。808黒点群は活発に活動を続けています。 担当 篠原 昨日のニュースでお知らせした様に、 14日5時(世界時13日20時)のX1.5大規模フレアに伴って発生した CME(太陽ガスの放出現象)による高速の太陽風が間もなく、これから明朝にかけて地球に届くと思われます。 到来後の太陽風の速度、磁場強度(特に南向きの成分)の乱れ具合によって、磁気圏も大きく乱れます。 大きな磁気嵐が発生したり、オーロラが非常に活動的になる可能性があります。 今後の太陽風の変化に注目して下さい。 衝撃波到来後は、磁場が南を向く(ACEの赤線がマイナスになる)かどうかに着目してください。 南向きが大きくなるほど、擾乱は大規模になります。 また、これから明朝にかけて、高速風の到来がいつになるかも重要です。 到来が早ければ太陽風の乱れも大きくなり、遅ければ太陽風の乱れはより小規模になります。 昨日の太陽風は、速度550〜600km/秒と高速で、太陽風磁場が安定して南寄りが続いていました(-3nT前後)。 そのため、オーロラ活動が連続的かつ活発に発生していました。 AE指数のグラフを見ると、500〜1000nT規模の活動が連続的に観測されています。 アラスカでも活発なオーロラが観測されています。 ライブカメラの映像を見ると、日本時間で昨日の午後に激しいオーロラが撮影されています。 ただ、残念ながらアラスカはここ数日天候に恵まれておず、雲間の観測になっています。 今日も曇りがちの様子ですが、日本時間の午後から夜にかけてがオーロラ観望のチャンスです。 さて、太陽では808黒点群が依然活発な活動を続けている様です。 昨日も書きました様に、GOES衛星のX線カメラがトラブルを起こしていて、 フレアの細かい様子が分からなくなっています。 X線のグラフによると、14日19時(世界時14日10時)にM4.7の中規模フレアが起こり、 また、今朝、15日4時(世界時14日19時)頃からは、 Cクラスの小規模フレアが2時間おきくらいに5回連発しています。 今後も激しいフレアが起きる可能性があります。十分注意してください。 また、808黒点群は現在太陽のほぼ真ん中にきています。 かなりの大きさになっているので、肉眼でも見る事ができるかもしれません。 日没寸前の、太陽が暗くなったときに挑戦してみてはいかがでしょうか。 日中でも遮光板などを使って太陽を見る事ができますが、 赤外線も遮断するタイプの遮光板でなければ、熱で目を痛める危険があります。 (これは、光では気づかないのでとても危険です) 望遠鏡をお持ちであれば、サングラスや投影版などの専用の機器を使用して 観望してみてはいかがでしょうか。 太陽放射線は100PFU前後の高いレベルを保っています。 また、放射線帯の高エネルギー電子も10の5乗近くまで上がっていて、とても高い状態です。 どちらも、高いレベルが長時間続いており、注意が必要でしょう。 アラスカライブカメラによる、日本時間9月14日16時(現地9月13日23時)のオーロラの様子。 (c) NICT/SALMON SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|