宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 9/ 9 12:10 今朝、X5.4の大規模フレアが発生しました。太陽の東端で非常に激しい活動が続いています。
2005/ 9/10 12:17 808黒点群によって、Xクラスの大規模フレアが連続して発生しています。太陽放射線も更に強まっています。
2005/ 9/11 14:02 太陽風が大きく乱れており、磁気圏ではオーロラが活発になっています。太陽では大規模フレアが続いています。
2005/ 9/12 12:52 太陽風の速度は高速(800km/秒)で、オーロラがたいへん活発に続いています。808黒点群の活動は、少し落ち着いています。
2005/ 9/13 12:29 太陽風が乱れており、オーロラ活動がとても活発です。太陽風の擾乱は今後も続きそうです。
最新のニュース

2005/ 9/14 11:05 更新
今朝、X1.5の大規模フレアが発生しました。CMEが観測されており、明日以降太陽風が大きく乱れるでしょう。

担当 篠原

昨日のアラスカオーロラ動画のリンクが壊れていて、最新ページの中で正しく表示されていませんでした。
お詫び致します。
過去のニュースのページからは、この日の動画も見る事ができます。
今日の最初の写真で、昨日の夕方に見られたアラスカのオーロラ動画を改めて紹介します。
アラスカは天候が悪いようで、雲の間からちらちらとオーロラを眺めるという状況だった様です。
ライブカメラはこちらで見る事ができます。
日本時間の午後から夜にかけてが、観測に適した時間です。
今も天候は悪いようですが、ここ当分は宇宙天気が乱れますので、激しいオーロラを見るチャンスです。


さて、太陽では808黒点群が再び激しい活動を開始しました。
今朝、14日5時(世界時13日20時)にX1.5の大規模フレアを起こし、
続いて、14日8時(世界時13日23時)にX1.8の大規模フレアを起こしています。

GOES衛星のX線画像の観測機器がトラブルで停止しているため、フレアの詳しい状況は分かりません。
初めのX1.5のフレアはX線の強まりが長時間続くタイプで、
この時は、CME(太陽ガスの放出現象)を発生させている例が多く見られます。
実際、SOHO衛星のLASCO C3カメラで、太陽ガスが激しく飛び出している様子が撮影されていました。

黒点が太陽の中心に近づいているため、ガスが四方に広がっている様に見えます。
これをfull halo CME(フル・ハロー・CME)とも呼びます。
haloとは、太陽の周りに光が見える「かさ」のことです。
あるいは、後光と言った方が実感が湧くかもしれません。

今日のCMEは見事にガスが飛び散っていますので、大きな写真で動画を掲載しました。
高速で飛び出した太陽ガスは、まさに地球へ向かっている様です。
明日、15日の午後から、16日の朝にかけて、このCMEによる高速の太陽風が地球にやって来るでしょう。
再び磁気圏が活発化し、磁気嵐が大きく発達したり、オーロラが激しく発生する可能性があります。

現在の太陽風は、速度がやや下がって600km/秒になっています。
依然高速状態です。
太陽風磁場は強度5nT前後。
南北成分を見ると、前半部で南(マイナス)、後半部は北(プラス)という変化をしています。
この南を向いた時に、オーロラ活動は活発になります。
オーロラの活動度を示すAE指数を見ると、前半部は激しく、後半はやや落ち着いています
(短時間の南向きの影響で、小規模の乱れは発生しています)。
前半の、磁場の南向きが-5nTを越えて強まった辺りでは、1500nTに達する激しい活動も見えています。

このところ、808黒点群が落ち着いていたため、
CMEなどによる高速太陽風の吹き出しも減っていたと思われます。
これからしばらくは、太陽風は穏やかになる傾向を示すのではないでしょうか。
ただし、上で書いた今朝のCMEの影響で、明日以降は再び大きく乱れるでしょう。

大規模フレアの影響で、太陽放射線(非常に高速のプロトン粒子)が再び増加に転じています。
警戒ラインの10PFUを越え、30PFUに達しています。
レベルは更に上がりそうです。
放射線の高い状態が長く続いていますので、注意してください。

一方、磁気圏内の放射線帯高エネルギー電子も高いレベルが続いています。
今日も、10の4乗のラインを越えたままです。



アラスカライブカメラによる、9月13日(現地9月13日0時)のオーロラの様子。
(c) NICT/SALMON


SOHO LASCO C3カメラが捉えた、14日5時(世界時13日20時)のX1.5大規模フレアに伴うCMEの様子。
(c) ESA & NASA


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT


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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。