宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2005/ 9/14 11:05 更新 今朝、X1.5の大規模フレアが発生しました。CMEが観測されており、明日以降太陽風が大きく乱れるでしょう。 担当 篠原 昨日のアラスカオーロラ動画のリンクが壊れていて、最新ページの中で正しく表示されていませんでした。 お詫び致します。 過去のニュースのページからは、この日の動画も見る事ができます。 今日の最初の写真で、昨日の夕方に見られたアラスカのオーロラ動画を改めて紹介します。 アラスカは天候が悪いようで、雲の間からちらちらとオーロラを眺めるという状況だった様です。 ライブカメラはこちらで見る事ができます。 日本時間の午後から夜にかけてが、観測に適した時間です。 今も天候は悪いようですが、ここ当分は宇宙天気が乱れますので、激しいオーロラを見るチャンスです。 さて、太陽では808黒点群が再び激しい活動を開始しました。 今朝、14日5時(世界時13日20時)にX1.5の大規模フレアを起こし、 続いて、14日8時(世界時13日23時)にX1.8の大規模フレアを起こしています。 GOES衛星のX線画像の観測機器がトラブルで停止しているため、フレアの詳しい状況は分かりません。 初めのX1.5のフレアはX線の強まりが長時間続くタイプで、 この時は、CME(太陽ガスの放出現象)を発生させている例が多く見られます。 実際、SOHO衛星のLASCO C3カメラで、太陽ガスが激しく飛び出している様子が撮影されていました。 黒点が太陽の中心に近づいているため、ガスが四方に広がっている様に見えます。 これをfull halo CME(フル・ハロー・CME)とも呼びます。 haloとは、太陽の周りに光が見える「かさ」のことです。 あるいは、後光と言った方が実感が湧くかもしれません。 今日のCMEは見事にガスが飛び散っていますので、大きな写真で動画を掲載しました。 高速で飛び出した太陽ガスは、まさに地球へ向かっている様です。 明日、15日の午後から、16日の朝にかけて、このCMEによる高速の太陽風が地球にやって来るでしょう。 再び磁気圏が活発化し、磁気嵐が大きく発達したり、オーロラが激しく発生する可能性があります。 現在の太陽風は、速度がやや下がって600km/秒になっています。 依然高速状態です。 太陽風磁場は強度5nT前後。 南北成分を見ると、前半部で南(マイナス)、後半部は北(プラス)という変化をしています。 この南を向いた時に、オーロラ活動は活発になります。 オーロラの活動度を示すAE指数を見ると、前半部は激しく、後半はやや落ち着いています (短時間の南向きの影響で、小規模の乱れは発生しています)。 前半の、磁場の南向きが-5nTを越えて強まった辺りでは、1500nTに達する激しい活動も見えています。 このところ、808黒点群が落ち着いていたため、 CMEなどによる高速太陽風の吹き出しも減っていたと思われます。 これからしばらくは、太陽風は穏やかになる傾向を示すのではないでしょうか。 ただし、上で書いた今朝のCMEの影響で、明日以降は再び大きく乱れるでしょう。 大規模フレアの影響で、太陽放射線(非常に高速のプロトン粒子)が再び増加に転じています。 警戒ラインの10PFUを越え、30PFUに達しています。 レベルは更に上がりそうです。 放射線の高い状態が長く続いていますので、注意してください。 一方、磁気圏内の放射線帯高エネルギー電子も高いレベルが続いています。 今日も、10の4乗のラインを越えたままです。 アラスカライブカメラによる、9月13日(現地9月13日0時)のオーロラの様子。 (c) NICT/SALMON SOHO LASCO C3カメラが捉えた、14日5時(世界時13日20時)のX1.5大規模フレアに伴うCMEの様子。 (c) ESA & NASA GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|