宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2005/ 9/12 12:52 更新 太陽風の速度は高速(800km/秒)で、オーロラがたいへん活発に続いています。808黒点群の活動は、少し落ち着いています。 担当 篠原 ACE衛星の太陽風データが回復しています。 太陽放射線(高速のプロトン粒子)が減少しつつあるためです。 回復したデータを見ると、太陽風は非常に高速の状態が続いています。 データ回復直後の速度は1000km/秒に達しています。 速度はその後ゆっくり低下していますが、現在も800km/秒ありとても高速です。 磁場強度は高速風到来直後の20nTからゆっくり弱まって、7nTくらいにまで下がっています。 磁気圏への影響を決定する、磁場の南向き成分は連続して現れています。 振幅は-5nTを切る程度でそれほど強いものではありませんが、 速度が非常に高速だったため、磁気圏活動はかなり活発になっています。 この間、Dst指数は-100nTの減少を示しています。 中規模の磁気嵐が発生していた様です。 沖縄の磁場データでも、静穏レベルの青線から最大で-200nTの減少が発生しています。 この減少幅が大きくなるほど、磁気嵐は発達している事になります。 Dstの-100nTよりも沖縄が激しくなっているのは、局地的な効果が加わっているためです。 AE指数のグラフを見ると、1000nTを越えるとても活発な活動が連続して発生しています。 速度や磁場強度が次第に低下しているため、グラフ全体を見ると、 前半から後半にかけて、変化の規模は低下しています。 このまま速度が更に下がって行けば、オーロラ活動も落ち着いて行くでしょう。 また、磁場が北向きに切り替わると、エネルギーの流入が止まりますので、 磁気圏は一転して穏やかに変わります。 808黒点群の活動は、ちょっと落ち着いています。 昨日のニュース以降は、11日21時半(世界時11日12時半)のM3.1の中規模フレアが最大で、 Xクラスに及ぶ大規模な活動は起こしていません。 黒点群はまだ大きな姿を見せています。 このまま減衰して行くのか、新たにエネルギーを蓄えつつあるのか、 今後の変化に対して注意が必要でしょう。 大規模フレアが見られなくなったこともあり、 太陽放射線の強度が下がっています。 まもなく100PFUに下がりそうです。 一方、放射線帯の高エネルギー電子は一気に密度を上げています。 青線のGOES10では、一気に警戒ラインである10の4乗の線を越え、10の5乗に達する勢いです。 赤線のGOES12はまだそこまで上がっていませんが、今後上昇すると思われます。 衛星の運用では、今後はこちらに対する注意も必要でしょう。 ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|