宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 9/10 12:17 更新 808黒点群によって、Xクラスの大規模フレアが連続して発生しています。太陽放射線も更に強まっています。 担当 篠原 808黒点群は非常に活発な活動を続けています。 昨日のニュース以降、 9日11時半(世界時9日2時半)にX1.1、 9日19時(世界時9日10時)にX3.6、 10日4時(世界時9日19時)にX6.2と、Xクラスの大規模フレアを3回起こしています。 その他にも、Mクラスの中規模フレアを3回ほど起こしています。 今日掲載している太陽黒点の写真には、808黒点群の巨大な姿が見えています。 まだまだ活発に活動を続けそうで、今後も十分な注意が必要です。 今朝発生したX6.2のフレアのX線動画を掲載します。 恐らくCME(太陽ガスの放出現象)を起こしているでしょう。 これまでのフレアよりも地球に向かっていますので、影響が大きく及ぶ可能性も高まっています。 SOHO LASCO C3カメラの画像が得られていましたので、こちらの動画も掲載します。 Snow Storm(吹雪)と呼ばれる、 太陽放射線(非常に高速のプロトン粒子)による白いノイズが画面全体を飛び交っています。 この太陽放射線強度は、頻発する大規模フレアの影響で更にレベルをあげています。 現在800PFUに達しており、なお上昇を続けそうな勢いです。 放射線の強い状態が長時間続いています。 衛星運用などでは引き続き注意が必要です。 一方、放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏の活動の影響で、密度を下げています。 さて、CMEなどの影響による太陽風の乱れですが、 9日22時(世界時9日13時)に衝撃波がやってきました。 8日2時(世界時7日17時)のX17フレアによるものだろうと思われます。 太陽から地球まで約2日かかりました(これは普通の経過時間です)。 太陽のガスが真横に飛び出していたので、 地球方向へはあまり強い吹き出しになっていなかったのでしょう。 速度は500km/秒と、やや高速という速度に上昇した程度でした。 磁場強度は瞬間的に20nTに強まり、衝撃波の直後、-10nTを越える強い南向きの磁場も来ています。 その後も-5nTくらいの南向きが現れ、磁気圏が活動的になっています。 AE指数のグラフを見ると、1000nT前後のオーロラ活動が観測されています。 太陽風の乱れはそれほど激しいものではありませんでしたので、 オーロラ活動もそこそこの活動にとどまっています。 衝撃波の到来直後から、ACE衛星による太陽風の観測データがおかしくなっています。 密度(橙色)、速度(黄色)、温度(緑色)のグラフが飛び散ったようになっています。 これは、太陽放射線が非常に強くなったため、測定器の計測に支障が発生しているためです。 太陽放射線が下がれば回復しますが、 それまでは、こちらのSOHO衛星による太陽風データを参考にするとよいでしょう。 太陽ではXクラスの大規模フレアが続いています。 今後は地球磁気圏への影響も大きくなってきます。 808黒点群が現在の様な活動を続けた場合、これから2週間近く宇宙天気は非常に乱れた状態が続きます。 今後は、磁気嵐やオーロラ活動が激しくなる可能性がありますので、注意してください。 GOES衛星が観測したX6.2の大規模太陽フレア。10日4時(世界時9日19時)に発生。 (c) NOAA/SEC SOHO LASCO C3カメラが捉えた、Snow Storm(吹雪)。頻発する大規模太陽フレアによって強められた太陽放射線が作るノイズである。 (c) ESA & NASA GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
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