宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 8/30 12:53 太陽風は穏やかです。オーロラ活動もほとんどありません。放射線帯の高エネルギー電子が減少しました。
2005/ 8/31 10:35 太陽風の磁場が強まっています。セクター境界が来るようです。
2005/ 9/ 1 12:06 太陽風の南向き磁場がとても強まり、大きな磁気嵐が発生しました。太陽の中心付近でCMEが発生しています。
2005/ 9/ 2 10:58 磁気嵐は終息しつつあります。今夜以降、次の擾乱が発生する可能性があります。
2005/ 9/ 3 12:28 衝撃波がやってきました。太陽風の速度は650km/秒、オーロラ活動が活発になっています。
最新のニュース

2005/ 9/ 4 12:48 更新
太陽風の速度はやや下がりましたが、オーロラの活動は続いています。これから次の太陽風の乱れが発生するでしょう。

担当 篠原

9月に入って、秋分が近づいてきました。
極北のアラスカにも次第に夜が戻って来ています。
NICTのSALMONグループが提供しているオーロラライブカメラでも、
ようやくオーロラの映像を楽しめる様になってきました。
今日の1枚目の写真で、9月2日の美しいオーロラの動画を紹介します。
夕暮れとともにオーロラが空に現れています。
やがてオーロラ爆発が発生して、明るいオーロラが画面を右から左へ走り抜けていく様子が見えます。

このライブカメラでは、現地の最も見頃の時間は日本の夕方から夜にかけてです。
(詳細はライブカメラのページで紹介されています)
PCの画面の隅にライブ映像を開いておいて、生でオーロラの動きを楽しんでください。

さて、速度が650km/秒に上昇していた太陽風ですが、
最も高速の部分を抜けて、現在は緩やかに低下を続けています。
現在の速度は550km/秒で、この速度で低下は一休みになっています。

オーロラ活動への影響が大きい太陽風磁場の南北成分(ACEデータの赤線)は、
今日の図では、前半で南向き(マイナス)、中間で北向き(プラス)、後半で再び南向きとなっています。
これに合わせて、AE指数のオーロラ活動も前半と後半で活発な変化が現れていて、
中間はおとなしくなっています。

現在も速度は高速です。
南向きが続けば、このまま活発なオーロラ活動が続くでしょう。

そして、昨日のニュースでお知らせしましたが、
CMEによる次の高速風が今日の昼から明日にかけて、地球へやって来ると思われます。
発生源となったフレアがかなり小規模でしたので、あまり大きな太陽風の乱れが来る事はないでしょうが、
強い磁場の南向きが発生すると、速度が高くなくても大きく磁気圏は乱れます。
今後の太陽風の変化に注意してください。

現在、放射線帯の高エネルギー電子の密度が急に増加しています。
衛星運用に対する警戒ラインと言われる10の4乗の線を越えています。
今後の太陽風の擾乱の影響で、また様子が一変すると思われますが、注意が必要でしょう。

太陽はとても穏やかです。
X線のデータでは、バックグラウンドの強度もすっかり低下しています。
このまま穏やかな状態が続きそうです。



アラスカのオーロラライブカメラで撮影された、世界時9月2日7:20〜8:20のオーロラ。写真は1分間隔です。
(c) NICT/SALMON


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。