宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 8/25 11:43 更新 強い南向き磁場のため、大規模な磁気嵐が発生しました。太陽風は高速ですが磁場強度は下がり、磁気圏は落ち着きつつあります。 担当 篠原 昨夕、24日17時半(世界時24日8時半)より、太陽風磁場が非常に強まり(60nT)、 更に、-60nTに達する大変強い南向き磁場が現れました。 太陽風の速度も650km/秒と高速になり、磁気圏が一気に活動的になりました。 AE指数のグラフを見ると、24日19時(世界時24日10時)頃に3000nTのグラフいっぱいに たいへん激しい変動が記録されています。 この頃は、オーロラの活動領域が通常のオーロラ帯から低緯度側に大きく広がっていて、 もはや通常の指数測定ができない状態になっていたでしょう。 太陽風の非常に強い南向きは1時間半程度と短時間でしたが、強度が非常に強かったため、 激しい磁気嵐も発生しました。 沖縄の磁場データを見ると、静穏レベルの青線から-250nTを越える磁場の減少が観測されています。 この磁場強度の低下は、地球の周囲にリング状の電流系が発達する事で発生します。 従って、グラフが下がれば下がるほど、磁気嵐が発達していることを意味します。 京都大学のDst速報値でも、-250nT程度の磁場の変化が観測されています。 spaceweater.comでは、 アメリカ合衆国中部のコロラド州で撮影されたオーロラが掲載されていました。 オーロラが極域からかなり広い範囲に広がっていた事を示しています。 これに続いて、今後続々とオーロラの観測報告が掲載されるのではないでしょうか。 太陽風のデータを見ると、25日5時半(24日20時半)にも、新しい速度変化が観測されています。 これが2つめのCMEによる太陽風の乱れではないでしょうか。 速度が600km/秒から700km/秒に上昇しましたが、磁場強度は20nTから10nTに弱まっています。 現在、ACEの磁場データの縦軸がとても広くなってしまっていて、小さな変化が見にくくなっています。 弱いながらも磁場が南向きにもなっているようで、 AE指数によるとオーロラ活動は現在も500〜1000nTの規模で活発に続いているようです。 昨夜の60nTがあったため、現在の状況が小さく見えてしまいますが、 現在も太陽風は速度650km/秒と高速であり、磁場強度も10nT程度あります。 通常レベルの活発なオーロラ活動が続く条件は保っていますので、 引き続き太陽風の状態に注意してください。 23日23時(世界時23日14時)のM2.7中規模フレアによるCMEの影響が、 今夜から明日にかけて到来する可能性もあります。 ただし、太陽ガスは斜め方向に吹き出していますので、影響は小さくなると思います。 一連の騒動を起こした、798黒点群は太陽の西に没してしまいました。 一方、新しい黒点群が東の端に見えてきました。 どのような活動度の群なのでしょうか。 太陽放射線は次第に強度が下がり、現在は10PFUを切っています。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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