宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 8/24 19:44 更新 CMEによる太陽風の乱れが来ました。非常に強い南向き磁場(-60nT)を運んできて、強い磁気嵐を起こしています。 担当 篠原 ACE衛星の太陽風観測によると、 今日、24日14時半(世界時24日5時半)にひとつめの太陽風の乱れがやってきました。 速度の変化は小幅で、450km/秒から550km/秒に上昇した程度でした。 磁場強度は20nTに大きく強まりましたが、到来直後の南向き成分は小さく、 磁気圏への影響は大きくありませんでした。 (AE指数で500nT規模の変化は発生していますが) そして、24日17時半(世界時24日8時半)、第二波の乱れが来ました。 太陽風の速度は650km/秒と一段と高速になり、磁場強度が60nTと非常に大きな値に強まりました。 しかも、到来後から南向きが非常に強まって行き、最大で-60nTに達するほどになりました。 この状態は1時間ほど続きましたが、飛んで来た磁場の構造が比較的小規模だったようで、 南向き成分は急速に弱まり、先ほど北向きに切り替わったようです。 この非常に強い南向き磁場の影響で、磁気圏は一気に活発化しています。 AE指数は1000nTの変化が見えていますが、これは、オーロラの活動領域が観測点より広がってしまって、 正しい数値になっていないだろうと思います。 そして、沖縄の磁場データは静穏レベル(青の横線)から一気に-200nT近く減少しています。 大きな磁気嵐が急激に発達している事を示しています。 しかしながら、南向きが比較的短時間で終わったため、磁気圏へのエネルギーの供給が止まっており、 これ以上激しい活動にはならないだろうと思われます。 ただ、太陽風の磁場強度はまだ40nTとたいへん強いため、 再び南向きに切り替わると、磁気圏活動も激しさを取り戻すでしょう。 (ACEのデータを見ていると、最後の部分でその気配が見えています) 激しい活動が発生すると、北海道などで低緯度オーロラが期待されますが、 非常に強い南向きであったことと、短時間で終わってしまった事と、どちらが大きく作用するでしょうか。 興味深いところです。 この記事の始めに、ふたつの太陽風の乱れが来たと書きましたが、 これらは時間間隔が3時間しかなく、昨日のニュースの2つのCMEに相当するものではなさそうです。 恐らく、今日の第二波の太陽風の乱れが、ひとつめのCMEに対応するのではないでしょうか。 従って、今夜から明日にかけて、次の擾乱がやって来る可能性があります。 引き続き太陽風の変化に注意が必要です。 (追記:記事を書いている先からデータが刻々と変わってしまいます。速報はたいへんです) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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