宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 8/20 16:20 太陽風は通常の速度にほぼ戻っています(440km/秒)。798黒点群が急に大きくなっています。
2005/ 8/21 12:54 太陽風は穏やかです。オーロラ活動もほとんど見られません。
2005/ 8/22 11:43 昨夜より太陽風の速度が上昇して乱れています。今朝、M2.8の中規模フレアが発生しました.
2005/ 8/23 10:53 昨夜、M5.6の中規模フレアが発生しました。太陽放射線が増加しています。CMEのため、明日以降太陽風が乱れるでしょう。
2005/ 8/24 11:43 22日のCMEによる高速太陽風がまもなく到来すると思われます。昨夜M2.7の中規模フレアが発生しました。
最新のニュース

2005/ 8/24 19:44 更新
CMEによる太陽風の乱れが来ました。非常に強い南向き磁場(-60nT)を運んできて、強い磁気嵐を起こしています。

担当 篠原

ACE衛星の太陽風観測によると、
今日、24日14時半(世界時24日5時半)にひとつめの太陽風の乱れがやってきました。
速度の変化は小幅で、450km/秒から550km/秒に上昇した程度でした。
磁場強度は20nTに大きく強まりましたが、到来直後の南向き成分は小さく、
磁気圏への影響は大きくありませんでした。
(AE指数で500nT規模の変化は発生していますが)

そして、24日17時半(世界時24日8時半)、第二波の乱れが来ました。
太陽風の速度は650km/秒と一段と高速になり、磁場強度が60nTと非常に大きな値に強まりました。
しかも、到来後から南向きが非常に強まって行き、最大で-60nTに達するほどになりました。
この状態は1時間ほど続きましたが、飛んで来た磁場の構造が比較的小規模だったようで、
南向き成分は急速に弱まり、先ほど北向きに切り替わったようです。

この非常に強い南向き磁場の影響で、磁気圏は一気に活発化しています。
AE指数は1000nTの変化が見えていますが、これは、オーロラの活動領域が観測点より広がってしまって、
正しい数値になっていないだろうと思います。
そして、沖縄の磁場データは静穏レベル(青の横線)から一気に-200nT近く減少しています。
大きな磁気嵐が急激に発達している事を示しています。

しかしながら、南向きが比較的短時間で終わったため、磁気圏へのエネルギーの供給が止まっており、
これ以上激しい活動にはならないだろうと思われます。
ただ、太陽風の磁場強度はまだ40nTとたいへん強いため、
再び南向きに切り替わると、磁気圏活動も激しさを取り戻すでしょう。
(ACEのデータを見ていると、最後の部分でその気配が見えています)

激しい活動が発生すると、北海道などで低緯度オーロラが期待されますが、
非常に強い南向きであったことと、短時間で終わってしまった事と、どちらが大きく作用するでしょうか。
興味深いところです。

この記事の始めに、ふたつの太陽風の乱れが来たと書きましたが、
これらは時間間隔が3時間しかなく、昨日のニュースの2つのCMEに相当するものではなさそうです。
恐らく、今日の第二波の太陽風の乱れが、ひとつめのCMEに対応するのではないでしょうか。
従って、今夜から明日にかけて、次の擾乱がやって来る可能性があります。
引き続き太陽風の変化に注意が必要です。

(追記:記事を書いている先からデータが刻々と変わってしまいます。速報はたいへんです)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。