宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 7/22 11:06 更新 太陽風の速度はもう一段上昇しています(600km/秒)。オーロラも活動的です。 担当 篠原 地球は、コロナホールによる高速太陽風のまっただ中にいるようです。 太陽風の速度は昨日以降もゆっくりと上昇を続け、現在は600km/秒に達しています。 27日周期の図で、前回太陽が同じ面を地球に向けていた時の太陽風速度(緑の線)を見てください。 世界時で6月23日に速度が上昇を始め、2日後の6月25日に最大の650km/秒に達しています。 今周期も、これに対応する様に、世界時7月20日に速度が上がり始め、 2日後の今日22日にかけてゆっくりと上がり続けています。 結果的にかなり似た変化をたどっています。 もし同様の傾向がこれからも続くと考えると、今日いっぱいはゆっくりと速度が上がるかもしれません。 明日からは速度が下がり始め、1日ほどかけて高速風領域から抜けて行くでしょう。 ACEの図を見ると、10nTに強まっていた太陽風の磁場強度は5nTに下がっています。 このことも、高速風領域の中心部に来ている事を示していると思います。 オーロラの活動を示すAE指数を見ると、500〜1000nTの変化がほぼ一日を通して観測されています。 太陽風の乱れによって、極域でもオーロラが活発に活動しているようです。 現在、速度は高まっていますが、磁場強度が下がってしまったため、 オーロラの活動度はこれまでより弱めになりそうです。 SOHO EIT284の太陽写真を見ると、現在の高速太陽風の原因となっているコロナホールが、 西側(右側)にだいぶ傾いているのが分かります。 一方、もうひとつ別のコロナホールが、太陽の中心の南寄り(下寄り)に見えています。 ちょうど太陽の中心線を越えていますので、3日後の7月25日に地球への影響が及びそうですが、 27日周期の図を見ると、6月28日には何の変化も観測されていません。 コロナホールが南に寄りすぎていて、地球へは風が当たらなかったのだろうと思われます。 SOHO EIT284の約27日前(6月25日)の写真を並べてみると、コロナホールの位置はほとんど変わっていません。 今周期も何もなく過ぎて行くのでしょうか。 太陽は現在も無黒点です。 フレア活動は非常に穏やかです。 SOHO EIT284の東端(左端)が明るくなっていますので、やがて新しい黒点群が上がって来るでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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