宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 7/20 11:45 更新 太陽風の速度上昇が始まっています。今後、太陽風の状況によって、磁気圏が活発に乱れる可能性があります。 担当 篠原 今日の最初の写真で、6月25日から7月19日までの、 SOHO衛星EIT284カメラが撮影した太陽の様子を動画にしてみました。 1日1枚で重ねていますが、一周するにはあと2枚足りません。 最初、暗いコロナホールが広がるだけで、明るいところがほとんど無かった太陽面が、 4分の1周ほどすると、急に明るいところが増え、 やがて全面に明るい部分(黒点群のある活動的な領域)が広がってきます。 後半は、明るい部分が西に去り、太陽面は真ん中にコロナホールが見えるだけの、 ぼんやりした写真になってしまいます。 太陽の表と裏ではありませんが、先週の黒点群がすごくにぎやかだった頃と、 その前後の穏やかな太陽面との様子の違いをご覧下さい。 現在の太陽面は無黒点になっています。 のっぺりした写真になってしまいました。 X線のレベルもかなり低いレベルに下がっています。 もうしばらく、この状態が続きそうです。 太陽風にコロナホールによる変化が始まっています。 初めに、磁場強度がじわじわと上昇してきました。 今日のACEの図の最初で4nTと普通の強さでしたが、右上がりに次第に上昇し、 現在は10nT程度まで強まっています。 一方、速度も遅れて上昇を始めています。 20日7時(世界時19日22時)頃から変化が始まり、それまでの400km/秒から、460km/秒に上がっています。 27日周期の図で、太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の前周期の様子と比較します。 すると、セクターの切り替わり(セクターの青線が下から上に跳ね上がるところ)のタイミング、 磁場の強まり始め(IMFの青線)、速度の上がり始め(緑線。やっと上がり始めたところですが)など、 全体的な変化のタイミングがよく一致しています。 この傾向が続くとすると、これから半日ほどかけて更に速度が上昇しそうです。 太陽風の磁場強度が強まっているため、 北を向くか南を向くか(ACEの図の赤線)で、磁気圏は大きく影響を受けます。 現在は北を向いています(赤線がプラスに振れている)が、 今後南に切り替わった時(赤線がマイナスに振れたとき)はオーロラ活動が活発になります。 太陽風の乱れは2〜3日程度続くのではないでしょうか。 SOHO衛星EIT 284カメラによる、6月25日から7月19日までの、25日間の太陽(完全には一周していません)。 (c) ESA & NASA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
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