宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 7/ 8 11:18 これから、太陽風に乱れが発生して、磁気圏が活動的になる可能性があります。また、中規模フレアが発生し、CMEも観測されています。
2005/ 7/ 9 15:44 太陽風磁場が強まっています。南向きが強まって、磁気圏が活動的になる可能性があります。
2005/ 7/10 13:58 南向き太陽風磁場の影響で、オーロラ活動が活発になり弱い磁気嵐も発生しています。衝撃波が到来しました。
2005/ 7/11 10:24 太陽風の乱れによって、磁気圏が大きく乱れています。オーロラが激しく活動し、磁気嵐も発生しています。
2005/ 7/12 10:13 太陽風磁場の南向き(-5〜-10nT)が続いています。オーロラ活動も活発に続いています。
最新のニュース

2005/ 7/13 11:04 更新
786黒点群が活発になり、中規模フレアを多く起こしています。太陽風の乱れのため、オーロラがとても活発になりました。

担当 篠原

昨日のニュースで786黒点群がやや活発になっているとお知らせしましたが、
その後更に活動度が上がり、中小規模のフレアを多数起こしています。
主なものでは、12日17時(世界時12日8時)にC8.3の小規模フレア、
12日22時(世界時12日13時)にM1.1の中規模フレア、
13日1時(世界時12日16時)にM1.6の中規模フレア
(このフレアは、複数にわたってピークが発生する複雑な形を見せています)、
13日8時(世界時12日23時)にM1.4の中規模フレアなどがあげられます。
X線のグラフを見ると、これら以外にもたくさんの小規模フレアが観測されています。
こちらにGOES衛星によるX線動画があります。
786黒点群は、1日にわたってほとんど連続とも言える様な輝き方をしています。
その活動の様子をどうぞご覧下さい。

これら一連の活動に伴って、CME(太陽ガスの放出現象)が数回発生しています。
一番目立っていた、13日1時(世界時12日16時)以降のCMEの様子を
LASCO C3カメラの太陽写真で紹介します。
これらのCMEは、786黒点群がかなり西の端に寄ってから発生しています。
従って、地球に対してはかなり横向きに太陽ガスが飛び出しており、
地球へはガスの端の部分が当たる事になります。
ですので、宇宙天気への影響は大きなものにはならないでしょう。
15日頃の太陽風に、速度や磁場の乱れとして影響が現れる可能性はあります。

太陽風は、速度が500km/秒から550km/秒とやや高速の状態になっています。
これは昨日の昼頃から緩やかに上昇して来たものです。
10日のCMEの影響が、昨夕以降太陽風に見られると予想していましたが、
この辺りの一連の乱れの中に混じってしまったのでしょうか、明確に分かる変化は現れていません。

太陽風磁場が大きく南を向いた影響で、磁気圏のオーロラ活動が一時的にとても活発になりました。
AE指数では、1000nTから、最大で2000nT近くにまで達する大きな変動が観測されています。
今日に日が変わった、13日1時(世界時12日16時)頃から、太陽風磁場は北向きに切り替わりました。
このため、磁気圏へのエネルギーの流れ込みも止まり、オーロラ活動はおとなしくなっています。

ここ数日の786黒点群の活発な活動もあり、もうしばらく太陽風の乱れに注意が必要でしょう。
現在も磁場強度は10nTと高いレベルを保っており、南向きに切り替わると磁気圏はまた大きく乱れます。
786黒点群は既にかなり西に傾いていますので、太陽風に影響が見られるのももう2〜3日程度ではないでしょうか。

GOES衛星の観測によると、放射線帯の高エネルギー電子が急増しています。
GOES10, 12の両衛星で警戒ラインの10の4乗の線を越えています。
密度は更に増加する可能性もあり、衛星の運用では注意が必要でしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


SOHO衛星LASCO C3カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

7/12 18:42 UT

7/12 20:18 UT

7/12 21:18 UT

7/12 23:18 UT


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT


この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。