宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 7/13 11:04 更新 786黒点群が活発になり、中規模フレアを多く起こしています。太陽風の乱れのため、オーロラがとても活発になりました。 担当 篠原 昨日のニュースで786黒点群がやや活発になっているとお知らせしましたが、 その後更に活動度が上がり、中小規模のフレアを多数起こしています。 主なものでは、12日17時(世界時12日8時)にC8.3の小規模フレア、 12日22時(世界時12日13時)にM1.1の中規模フレア、 13日1時(世界時12日16時)にM1.6の中規模フレア (このフレアは、複数にわたってピークが発生する複雑な形を見せています)、 13日8時(世界時12日23時)にM1.4の中規模フレアなどがあげられます。 X線のグラフを見ると、これら以外にもたくさんの小規模フレアが観測されています。 こちらにGOES衛星によるX線動画があります。 786黒点群は、1日にわたってほとんど連続とも言える様な輝き方をしています。 その活動の様子をどうぞご覧下さい。 これら一連の活動に伴って、CME(太陽ガスの放出現象)が数回発生しています。 一番目立っていた、13日1時(世界時12日16時)以降のCMEの様子を LASCO C3カメラの太陽写真で紹介します。 これらのCMEは、786黒点群がかなり西の端に寄ってから発生しています。 従って、地球に対してはかなり横向きに太陽ガスが飛び出しており、 地球へはガスの端の部分が当たる事になります。 ですので、宇宙天気への影響は大きなものにはならないでしょう。 15日頃の太陽風に、速度や磁場の乱れとして影響が現れる可能性はあります。 太陽風は、速度が500km/秒から550km/秒とやや高速の状態になっています。 これは昨日の昼頃から緩やかに上昇して来たものです。 10日のCMEの影響が、昨夕以降太陽風に見られると予想していましたが、 この辺りの一連の乱れの中に混じってしまったのでしょうか、明確に分かる変化は現れていません。 太陽風磁場が大きく南を向いた影響で、磁気圏のオーロラ活動が一時的にとても活発になりました。 AE指数では、1000nTから、最大で2000nT近くにまで達する大きな変動が観測されています。 今日に日が変わった、13日1時(世界時12日16時)頃から、太陽風磁場は北向きに切り替わりました。 このため、磁気圏へのエネルギーの流れ込みも止まり、オーロラ活動はおとなしくなっています。 ここ数日の786黒点群の活発な活動もあり、もうしばらく太陽風の乱れに注意が必要でしょう。 現在も磁場強度は10nTと高いレベルを保っており、南向きに切り替わると磁気圏はまた大きく乱れます。 786黒点群は既にかなり西に傾いていますので、太陽風に影響が見られるのももう2〜3日程度ではないでしょうか。 GOES衛星の観測によると、放射線帯の高エネルギー電子が急増しています。 GOES10, 12の両衛星で警戒ラインの10の4乗の線を越えています。 密度は更に増加する可能性もあり、衛星の運用では注意が必要でしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
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