宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 7/11 10:24 更新 太陽風の乱れによって、磁気圏が大きく乱れています。オーロラが激しく活動し、磁気嵐も発生しています。 担当 篠原 昨日のニュース以降、太陽風磁場が強い値を保ったまま、大きく南向きに切り替わりました。 このため、磁気圏の乱れも激しくなりました。 ACE衛星の観測によると、10日12時(世界時10日3時)頃に衝撃波が到来し、 太陽風の速度が上昇したり、磁場強度が増大したりしました。 ただし、この時は磁場の南北成分は北寄りになっていて、磁気圏への影響は比較的小さなものでした。 (その前の南向きや、一時的な南向きの影響で、オーロラ活動は大きなものも観測しています) この傾向は10日21時(世界時10日12時)に大きく変わります。 それまで北寄りだった磁場が、急に南向きに切り替わったのです。 磁場の南向き成分の強さは-20nTに達しています。 この後、10時間以上にわたって-10nTを越える強い南向き磁場が続きました。 (南向きそのものは、弱いながらも現在まで15時間にわたって続いています) 太陽風の速度は500km/秒とやや速い状態が続いており、磁気圏は一気に乱れることになりました。 AE指数のグラフを見ると、最大で2000nTに達する激しい変動を観測しています。 ほとんどの時間帯で1000nT規模の変動が発生しており、 かなり活発な磁気圏活動が発生したと考えられます。 Dst指数の速報値でも-100nT程度の磁場強度の減少が観測されており、磁気嵐が発生しました。 ACE衛星のデータを見ると、最大で25nTまで強まった磁場強度は緩やかに減少を続けていて、 既に10nTを切るまでに下がっています。 速度も500km/秒程度から420km/秒まで下がりました。 太陽風の乱れは既に山を越えていて、この後は次第に弱まって行くでしょう。 磁気圏の乱れも既に弱まりつつありますが、今後更に静かな変化へと変わって行くでしょう。 しかし、その一方で、10日7時(世界時9日22時)に発生した、 次のCME(太陽ガスの放出現象)による高速太陽風が地球へ向かっています。 SOHO LASCO C3カメラが捉えたCMEの様子を掲載しています。 この太陽風の乱れは、明日、12日の夜以降に地球へやってくるでしょう。 再び、磁気圏活動が活発化する可能性があります。 今回そうだったように、太陽風磁場の南向きが大きな鍵となりますので、 ACE衛星のデータでも速度の黄色線とともに、赤線がマイナスに振れる変化に注意してください。 太陽では、11日0時(世界時10日15時)にC9.9の大きめの小規模フレアが発生しています。 発生箇所は、西に没しつつある783黒点群です。 CMEを飛ばしていそうですが、横向きですので地球への影響はありません。 SOHO LASCOカメラできれいな飛び出すガスの姿を見る事ができるかもしれません。 SOHO衛星LASCO C3カメラが観測した、10日に発生したCME(太陽ガスの放出現象)。 (c) ESA & NASA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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