宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 7/12 10:13 更新 太陽風磁場の南向き(-5〜-10nT)が続いています。オーロラ活動も活発に続いています。 担当 篠原 10日に地球に達していたCMEによる太陽風の乱れは、昨日ほぼ収まりました。 しかし、続いて11日15時(世界時11日6時)頃に新たな乱れがやって来たようです。 ACEのデータを見ると、ここで密度(橙色線)が2個/ccから20個/cc近くにまで上昇しています。 磁場の向きも大きく変化したようで、2列目の水色線が不連続に変化しています。 発生原因はよくわかりません。 地球の磁気圏にとって重要な、太陽風磁場の南北成分(赤線)は、 変化直後は一旦北を向きましたが(正の方向)、すぐに南向きに変わり(負の方向)、 -5〜-10nTの南向きが現在まで16時間にわたって続いています。 このため、磁気圏にエネルギーが連続的に流れ込んでおり、オーロラ活動が活発になっています。 AE指数を見ると、500nTから最大で1500nTに達する強い変動が観測されています。 ただし、太陽風の速度は420km/秒と普通の状態で、 このため激しい活動にまではならなかったのでしょう。 ここ数日の太陽風擾乱は、安定した南向きを続けるという傾向を見せています。 発生源にあたる太陽の活動領域の構造などに特徴があるのでしょうか。 さて、10日7時(世界時9日22時)に発生したM2.8の中規模フレアに続いて観測された、 CME(太陽ガスの放出現象)による高速の太陽風が今夜以降地球にやってくると思われます。 磁気圏活動が更に活発化する可能性があります。 太陽風の変化では、速度の上昇も重要ですが、 南向き磁場がどの程度強まるかにも注目してください。 速度が多少遅くても、磁場の南向きが強く、長時間続くと磁気圏は大きく乱れますし、 速度が高くても、磁場が北を向いていると磁気圏への影響は小規模にとどまります。 太陽面を大きくにぎわせていた黒点数達は、西側に没しつつあります。 既に半数が没し、今は3つの黒点群が残るだけです。 X線の動画を見ると、786黒点群は現在も小規模のフレアを活発に起こしています。 12日0時(世界時11日15時)にはC8.4の大きめの小規模フレアを発生させました。 この群については、引き続き中規模フレア程度の注意が必要です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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