宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 6/13 10:32 更新 太陽風が乱れ、磁気嵐が発達しています。また、明日の午後以降にも太陽風が乱れそうです。 担当 篠原 12日16時(世界時12時7時)頃から、太陽風が大きく乱れました。 最も激しく乱れているのは磁場です。 強度が25nTに一気に強まり、現在も15nTの強さを保っています。 太陽風の速度は400km/秒に小さく上がり、その後緩やかに上昇して、 13日0時(世界時12日15時)頃に500km/秒に達しました。 ただし、この速度はやや高速という程度で、大きな乱れではありません。 磁気圏擾乱に大きく影響を持つ太陽風磁場の南北成分は、 擾乱開始直後はほぼ0になっていて、南北どちらでもない状態でした。 しかし、次第に南寄りに乱れ始め、13日1時(世界時12日16時)頃から安定して強い南向きになっています。 初めに-18nTもの強い南向きになり、その後緩やかに弱まっていますが、現在も-10nTを保っています。 この影響で、磁気圏は大きく乱れました。 AE指数では最大2000nTに達する非常に激しい擾乱が発生しています。 擾乱は13日2時(世界時12日17時)頃から大きく発達しており、安定した南向きの影響が大きかったのでしょう。 Dst指数の速報値でも-100nTの変化が観測されていて、磁気嵐が発達しています。 今回は、磁場は強かったものの、速度はそれほど高速ではなかったので、 ある意味、この程度の乱れで済んでいるという言い方もできそうです。 この太陽風の乱れの原因ですが、 ひとつ考えられるのが、9日21時(世界時9日12時)頃から始まっている、C1の小規模フレアです。 この後のLASCO C3カメラの画像を見ると、とてもかすかですがCME(太陽ガスの放出現象)が見えています。 地球への到達までに約3日かかっており、速度が500km/秒程度だったこととあわせると、 このCMEが原因である可能性が高いと思います。 ACEのデータを見ると、太陽風磁場の南向き成分は緩やかに減少を続けています。 この調子では、あと半日程度で南向きが終わるのではないでしょうか。 南向きの強度が下がっていますので、磁気圏の乱れも次第に小規模になるでしょう。 南向きが終われば、磁気圏も静穏に戻ります。 さて、太陽では、775黒点群がふたたびCMEをともなうフレアを2回発生させています。 12日11時(世界時12日2時)のC3.5と、13日0時(世界時12日15時)のC3.0の小規模フレアです。 どちらも発生時間の長いタイプのフレアで、SOHO衛星のLASCO C3カメラの画像を見ると、 CME(太陽ガスの放出現象)が見えています(かすかで分かりにくいですが、写真を3枚掲載しています)。 この影響が明日の午後から明後日にかけて、地球に及ぶと予想されます。 再び、太陽風が乱れ、磁気圏が活動的になるでしょう。 SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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