宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 5/31 13:03 更新 太陽風磁場が大きく南を向いたため、磁気嵐が発達しました。現在は、終息に向かっています。 担当 篠原 30日14時(世界時30日5時)から始まった、-15nTに達する太陽風磁場の強い南向きのため、 磁気圏が大きく乱れ、磁気嵐が発生しました。 強い南向きは31日3時(世界時30日18時)頃まで、半日にわたって続きました。 速度は450km/秒とやや速い程度でしたので、極端に激しい磁気圏擾乱にはなりませんでしたが、 速度が更に速かった場合は、かなり大規模な乱れになったことでしょう。 それでも、磁気圏は大きく乱れています。 AE指数では1000〜1500nTに達する激しいオーロラ活動が連続的に発生しています。 沖縄の磁場データは、静穏レベル(青の横線)から最大で-180nTも下がっています。 これは磁気嵐の発達を示唆していますが、 沖縄の一カ所のデータだけでは地球全体の正確な様子は分かりません。 京都大学のDst指数速報値を見ると、 磁気嵐の発達は-105nTに達していたようです(これは普通の規模の磁気嵐です)。 これらの磁場強度の低下は、地球を取り囲む様に流れる電流系の影響です(環電流と呼びます)。 この電流系の発達が磁気嵐の指標になっているのですが、 この電流系には、場所によって強く流れる部分や、弱く流れる部分などむらがあります。 そのため、沖縄の一カ所のデータだけを見ていても、 地球全体の乱れの正確な様子をとらえることはできないのです。 NICTの観測データを見てみると、沖縄磁場が大きく減少したのに対して、 地球の裏側のブラジルの磁場データはそこまで大きく減少はしていませんでした。 沖縄は電流の強い地域に、ブラジルは電流の弱い地域に当たっていたのでしょう。 太陽風の乱れは収まりつつあります。 磁気圏の乱れも、次第に収まるでしょう。 このまま地球磁気圏は一旦静かになりそうですが、 明日以降、今度はコロナホールの影響で乱れが発生するかもしれません。 コロナホール自体は小規模ですので、大きな乱れにはならないでしょう。 太陽のフレア活動はすっかり穏やかになっています。 767黒点群も現在は穏やかになっています。 1週間の太陽風の変化。今回の変動の全体を見ることができます。非常に長い時間、太陽風磁場の強い南向きが発生しました。 (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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