宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 5/29 09:39 更新 太陽風の磁場が大きく南を向いています。小規模の磁気嵐に発達しそうです。 担当 篠原 28日12時半(世界時28日3時半)から太陽風に変化が起こっています。 磁場強度が7nTに強まり、その後更に12nTにまで強まっています。 速度も初めは280km/秒から300km/秒くらいにわずかに増加しただけですが、 その後緩やかに上昇し、450km/秒まで上がっています(ただし、やや速いという程度です)。 磁場データを見ると、この時刻に太陽風磁場のセクター境界を越えています。 コロナホールの影響と重なって太陽風の様子が変わった様です。 重要な変化はその後、28日22時(世界時28日13時)の、太陽風磁場の南北成分(ACEの赤線)の変化です。 それまで北寄りだった磁場が南向きに反転し、-10nT程度の大きな南向き磁場を運ぶようになりました。 このため地球の磁気圏にエネルギーが流れ込みやすくなり、磁気圏を活動的にしています。 AE指数のグラフでは1000nT近い変動が発生しています。 沖縄の磁場データを見ると、静穏レベル(青の横線)からグラフが下がり始めています (磁気嵐が発達すると、このグラフが下がっていきます)。 太陽風の速度がそれほど高くないので、大きな乱れにはならないでしょうが、 小規模の磁気嵐には発達しそうです。 この太陽風の変化は、コロナホールや26日のCME(太陽ガスの放出現象)などが 重なりあって起きている現象だと思われます。 太陽風磁場の大きな南向きが続いている間は磁気圏の乱れも続きます。 SOHO EIT284の太陽写真では、現在地球に影響を及ぼしているコロナホールが北西部(右上)に見えています。 一方、中心の南側(下側)にももうひとつコロナホールが見えている様です。 これは前周期までははっきりとは見えていなかったものです。 地球に影響があるとすると、3日後くらいに始まります。注目したいところです。 太陽では767黒点群が現在も勢力を保っています。 フレア活動そのものはやや収まってますが、規模がありますので、 今後も中規模フレアに対する注意が必要の様です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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