宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 5/19 10:43 更新 太陽風は高速ですが、磁場が北を向いたためにオーロラ活動は低下しています。今日、新しい擾乱が到来する可能性があります。 担当 篠原 ACE衛星の観測によると、太陽風は速度が450〜600km/秒の間をゆっくりと変化しながら、 高速状態を続けています。 最新の部分では、600km/秒近くにやや上がっています。 磁場強度は8nT前後とやや強めの状態で、ほとんど安定しています。 磁気圏のオーロラ活動のスイッチとなる太陽風磁場の南北成分は、 18日23時(世界時18日14時)頃までは弱いながらも南寄りになっていましたが、 それ以降北向きに切り替わっていて、現在は北向きの8nTに強まっています。 このため、ここ数日ずっと活発に続いていたオーロラ活動は弱まってしまいました。 AE指数のグラフでは、前半は500nT前後の変動が続いていますが、 後半はほとんど変動は無く、すっかり静かになっています。 ただし、これは、スイッチ(南北成分)が切れているためであって、 太陽風は現在も高速かつ強めの磁場強度を保っていて、エネルギーを十分運んでいます。 太陽風磁場が再び南向きに切り替わるとオーロラも活発に戻ります。 昨日のニュースでお知らせしましたが、 CME(太陽ガスの放出現象)による高速の太陽風のかたまりが今日あたり地球に到来する可能性があります。 CMEが小規模だったため、明確に分かるほどの太陽風の変化となるか、 現在の高速風に紛れてしまうのか分かりませんが、今夜にかけて注目してください。 特に、擾乱が強い南向き磁場をもたらすと、 磁気嵐が再び発生したり、オーロラをより活発にする可能性があります。 放射線帯の高エネルギー電子は密度がとても高まっています。 衛星の運用に対して注意が必要となる10の4乗のラインを大きく越えています。 衛星運用ではこちらに対しても注意が必要です。 太陽のフレア活動はかなり低下してきました。 GOES衛星のX線観測の背景強度も次第に下がってきていて、活動的な領域が減っていることが分かります。 今日の太陽写真では、763黒点群は見えなくなってしましました。 今後はもう大きなフレアが発生する可能性はなさそうです。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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