宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 5/14 16:58 更新 M8.0の中規模フレアが発生しました。地球に向かってCMEが発生しており、明日の午後以降大規模な磁気嵐やオーロラ活動が発生するでしょう。 担当 篠原 今日未明14日1時(世界時13日16時)に、太陽のほぼ中心に見える759黒点群で M8.0の大きめの中規模フレア(太陽爆発)が発生しました。 759黒点群はこの数日活発な動きを見せていましたが、ついに大きなフレア爆発を起こしました。 このフレアの影響で、太陽放射線(非常に高速のプロトン粒子)が増加しています。 GOES衛星の観測では警戒ラインの10PFUを越え、30PFUに達しています。 衛星の運用などに影響が生じる可能性がありますので、注意が必要です。 M8.0のフレアはCME(太陽ガスの放出現象)も起こしています。 SOHO衛星のLASCO C2, LASCO C3カメラの太陽写真をご覧ください。 太陽から周囲に吹き出すように、白いガスが放出されている様子が撮影されています。 (連続写真が欠けているため、C3カメラでは飛び出しの最初の部分しか見ることができませんでした) 759黒点群は太陽のほぼ中心に位置していたので、 飛び出したガスは地球に向かって進んでいると考えられます。 この高速の太陽風は、早ければ明日の午後、 恐らくは明日の夜から明後日の朝にかけて地球に到達すると予想されます。 太陽風の速度が急激に上昇し、大規模な磁気嵐やオーロラ活動が発生する可能性があります。 到着が早いほど、ガスの速度が高いことになり、大きく乱れる可能性が高まります。 到着が遅くなれば、遅いほど地球への影響は小規模になります。 磁気圏の乱れの度合いを決定付けるのは太陽風磁場の南北成分です。 おそらく、衝撃波の到来とともに太陽風磁場が大きく強まるでしょう。 その時に、南向きが強まると地球磁気圏へのエネルギーの流れ込みも強くなり、擾乱が激しくなります。 一方、太陽風磁場が北向きのまま続くと、エネルギー流入のスイッチが入らず、 太陽風は激しく乱れても地球への影響はほとんど起こらないということになります。 衝撃波到来後の太陽風の変化(特に磁場の南向き)に注意してください。 現在の太陽風は、速度が500〜550km/秒とやや高速の状態が続いています。 太陽風の密度が急に濃くなったりするなどしており、 太陽のフレア活動を原因とする乱れが発生しているのだと思われます。 明日の大規模な乱れまで、現在の様な状態が続くのかもしれません。 太陽風磁場は強度が5nTと普通で、 南向きが現れた(今日のグラフでは前半部分)頃にオーロラ活動が発生しています。 AE指数では1000nT規模の活発なオーロラ活動を観測しています。 現在は、太陽風磁場が北寄りにかわっており、磁気圏は静かです。 今日未明のM8.0フレアによって、高速の太陽風が津波のように地球に向かっています。 私たち研究グループは、その高速風の到来を待ち構えている状況です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C2カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
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