宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 5/18 12:22 更新 太陽風は高速(500km/秒)で、オーロラも活発に続いています。今夜以降、再び太陽風に乱れが発生する可能性があります。 担当 篠原 太陽風は速度が450〜550km/秒の間で上下しつつ、高速の状態を続けています。 磁場強度も7nT程度のやや強い状態が続いています。 ACEのデータを見ると、2回ほど速度と磁場強度が急に強まる変化などが見えていて、 頻発するフレアの影響で太陽風が複雑に乱れているのだろうと思われます。 磁場の南北成分はずっと南寄りが続いています。 強さも-5nTと大きめのものから、-1nTとかなり小さなものまで大きく変化していますが、 一貫して南向きになっているため、地球磁気圏へも連続的にエネルギーが流れ込んでいて、 AE指数のグラフは500nT前後で常に振れた状態になっています。 磁気圏は活発に活動を続けているようです。 一方、沖縄の磁場データも-50〜-100nTほど静穏レベル(青の横線)から下がった辺りを行き来しています。 磁気嵐は終息しつつありますが、その後の太陽風の影響で完全には終了しきっていないようです。 16日23時(世界時16日14時)に、 SOHO LASCO C2カメラでCME(太陽ガスの放出現象)が観測されています。 759黒点群によるものと思われますが、 このところGOES衛星のX線動画が見られないためはっきりしません。 太陽の中心付近で発生していることから、 この高速の太陽ガスが今夜から明日にかけて地球に届くと思われます。 前回ほど大規模なものではありませんが、磁気嵐を起こしたりオーロラを活発にする可能性があります。 (太陽の向こう側の現象でしたら、地球への影響はありません) また、17日11時半(世界時2時半)のM1.8中規模フレア(763黒点群)でも CME(太陽ガスの放出現象)が発生しているとの報告があります。 こちらはSOHO衛星の画像では判別できなかったのですが、 影響があるとすると高速太陽風が19日に地球に届くでしょう。 どちらも大規模なものではありませんが、 もうしばらく磁気圏は乱れた状態が続くかもしれません。 放射線帯の高エネルギー電子の密度が一段と増加しています。 GOES10, 12両衛星で警戒レベルを大きく越えています。 衛星の運用などで支障が発生する可能性が高まっており、注意が必要でしょう。 太陽のフレア活動は収まりつつあるようです。 759, 763両黒点群とも規模が縮小し始めています。 もうしばらく注意が必要ですが、まもなく穏やかな状態に戻りそうです。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C2カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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