宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 5/10 11:39 更新 太陽風は速度も下がり、落ち着いてきました。磁気嵐も終息に向かっていますが、オーロラ活動には引き続き注意が必要です。 担当 篠原 昨日は米国SECのデータ表示システムの不調のため、太陽風データを詳しく見ることができませんでした。 今日は初めに、3日間の太陽風データの図で8-9日の変化を振り返ります。 太陽風では、2回にわたって大きな乱れが地球にやってきたようです。 白線の太陽風磁場の強度のグラフをご覧ください。 ひとつめは、8日3時(世界時7日18時)から始まる磁場強度の強まり、 ふたつめは、8日17時(世界時8日8時)から始まる磁場強度の強まりです。 どちらも、磁場の強まりに合わせて速度の上昇も発生しています。 ひとつめは約600km/秒まで、ふたつめは900km/秒まで速度が上昇しています。 これら2回の乱れにおいて、太陽風磁場が大きく南を向いていたのが、 大きな磁気嵐、活発なオーロラ活動を生んだ原因です。 -5〜-15nTのかなり大きな南向き成分がほぼ1日にわたって続いています。 ふたつめの乱れでは、太陽風の速度も一段と高かったため、かなり大きな磁気圏の擾乱が発生していました。 今回の、このふたつの太陽風の乱れでは、速度の急峻な増加という変化は見られていません。 CME(太陽ガスの放出現象)で高速ガスが地球に飛んでくる場合は、不連続な速度の急な増加がよく見られます。 しかし、今回はどちらもなだらかな(比較的短時間ではありますが)増加の曲線を描いています。 数回連続して発生したCME(太陽ガスの放出現象)活動や、コロナホールの高速風などが重なり合って、 このような変動を作り出したのかもしれません。 沖縄の磁場変化を見ると、最大で-130nTの磁場強度の減少が観測されました。 このグラフが下がるほど、磁気嵐が発達していることを示しています。 現在、赤線は-50nT近くまで回復しています。 大きな乱れの後、太陽風磁場が北を向いたために、磁気嵐は緩やかに回復に向かっていた様です。 昨日まで非常に激しかったオーロラ活動も、太陽風磁場が北を向いたことで、一旦穏やかになっています。 ただし、太陽風データの最新の部分では、-5nTの南向きに切り替わっています。 このため、オーロラ活動も現在は500nTを越える程度の活発な活動が再び始まっています。 SOHO EIR284の太陽写真に見られるように、 現在コロナホールが地球に影響を及ぼす(見かけの)位置に来ています。 このため、太陽風の速度はまだしばらく速い状態が続くでしょう。 南向き磁場の強まりに関係してオーロラ活動が活発な状態が発生します。 太陽では、758黒点群が多くのCクラス小規模フレアを発生させています。 GOES衛星のX線動画が見られないために詳細が分からないのですが、 この黒点群は活発な活動を続けているようです。 現在も、複雑な構造を保っており(エネルギーを蓄えていると考えられます)、 引き続きフレア活動に注意が必要です。 3日間の太陽風の変化。白線は磁場強度、赤線は磁場南北成分、黄色線は速度。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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