宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2005/ 4/20 11:05 更新 コロナホールの影響で、太陽風が乱れ始めています。755黒点群でCME(太陽ガスの放出現象)が発生しました。 担当 篠原 20日6時半(世界時19日21時半)に、 755黒点群でB8.0(Cクラスのもう一段下の規模です)の小さなフレアが発生しました。 フレアの明るさ(X線の強度)としては小規模だったのですが、CME(太陽ガスの放出現象)が発生しています。 SOHO衛星のLASCO C2, C3の両カメラで、ガスの吹き出し始めの部分が撮影されています。 地球から見ると、やや横の方向に吹き出していますので、大きな影響は無いでしょう。 明日になると、きれいに吹き出している様子を写真で見ることができると思います。 755黒点群は、黒点群としての規模は小さく、起こしているフレアも小さいのですが、 目立ったCMEを2度起こしています。 今後も注意が必要かもしれません。 その他の黒点群は規模も小さく、活動も穏やかです。 さて、コロナホールの影響がいよいよ始まった様です。 昨夜、19日22時(世界時19日13時)頃、太陽風磁場のセクター境界がACE衛星で観測されました。 太陽風磁場の大まかな方向が、「地球から太陽方向」から「太陽から地球方向」に切り替わっています。 (このこと自体は、宇宙天気への大きな影響はありません) それに続いて、高速太陽風の前兆となる、太陽風磁場の強まりが始まりました。 それまで約5nTだった太陽風の磁場強度は、緩やかに強まって現在15nTに達しています。 太陽風速度の変化は、今朝になって始まっています。 20日7時(世界時19日22時)頃から上昇が始まり、350km/秒から450km/秒へやや上昇しています。 速度の上昇は、これから更に大きくなると思われます。 太陽風磁場の南向き成分が減少して、やや活発だったオーロラ活動は収まった状態になっています。 しかし、磁場強度が強まったり、速度が上昇しているなど、活動が活発になる要素は揃っています。 今後の太陽風の変化に注意が必要です。 SOHO EIT284カメラの太陽写真では、コロナホールの濃く広い部分が太陽の中心に来ています。 ここから吹き出している太陽風は約3日後に地球に届きます。 その頃が、太陽風の乱れのピークになるのではないかと予想されます。 放射線帯の高エネルギー電子の密度は警戒レベルから下がりました。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C2カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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