宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 3/18 11:54 太陽風の速度は通常レベルが続いています(400km/秒)。太陽風磁場の変化に伴って、オーロラが活発になる時間帯が見られています。
2005/ 3/19 08:56 太陽風磁場が安定して南を向いています。速度は通常レベルですが、磁気圏が活動的になっています。
2005/ 3/20 09:31 太陽風南向き磁場が終わり、磁気圏はとても静穏です。
2005/ 3/21 18:49 太陽風の速度が600km/秒と高速になっています。オーロラ活動が活発になる可能性があります。
2005/ 3/22 13:21 太陽風の乱れは短期間で終わりました。現在は静穏です。一方、明日以降コロナホールの影響が始まります。
最新のニュース

2005/ 3/23 10:29 更新
太陽風(速度350km/秒)および磁気圏の活動は静かです。太陽フレアの活動も穏やかです。

担当 篠原

SOHO衛星の観測が停止しているため(明後日頃から再開する様です)、
コロナホールの様子を見るためにいつも使用しているEIT284カメラの太陽画像が得られません。
一方、27日周期の図を見ると、これからコロナホールの影響で太陽風の速度が上昇を始めそうです。

そこで、コロナホールの現在の様子を調べるために、GOES衛星のX線画像のコントラストを強調してみます。
今日の1枚目の緑色の写真がその画像です。
かなりコントラストを上げていますので、色が飛んだ様に見えていますが、
太陽面の中心付近に、南北にコロナホールが広がっている様子がうかがわれます
(暗く見えている部分です)。

参考のため、太陽が同じ面を見せていた27日前(2月24日)のEIT284画像を次に掲載します。
2枚を見比べると、暗く見えるコロナホールが太陽面に広がっている様子が、良く似ている事が分かります。
EIT284画像では太陽面の中央から右(西)にも細くコロナホールが延びているのが良く分かりますが、
これと同様の細い筋はGOES衛星のX線画像でも見えています。

この2枚の写真から、コロナホールは大まかには27日前と同じ分布をしている事が推定されます。
そこで、27日周期の図を見ます。
前周期は世界時で2月24日の朝(日本時間で2月24日午後)から太陽風磁場の南北成分(赤線)が大きく振れ始め、
2月24日の夕方(日本時間では2月25日になった頃)から
太陽風の速度(緑色線)が増加を始めています(最高550km/秒)。

今回これと同様の変化をすると考えると、
今日3月23日の午後(世界時23日朝)頃から太陽風の磁場に変化が見られ始め、
明日3月24日未明(世界時23日午後)頃から太陽風の速度が上昇を始めそうです。
この速度上昇は太陽画像の右に細く見えているコロナホールの影響と考えられます。
この領域の勢力が弱まっている場合は、今回はたいした変化は見られないかもしれません。

太陽画像の中心に大きく見えているコロナホールの影響は、もう3日程経ってから始まります。
27日周期の図で2月27日からもう一段速度の上昇が起きていますが、
こちらがその影響です(最高700km/秒)。
今回は3月26日頃から影響が始まるでしょう。

現在の太陽風は、速度350km/秒で、磁場強度6nTと穏やかな状態です。
磁場の南向き成分はほとんど無く、磁気圏もとても静穏です。
オーロラ活動を示すAE指数のグラフにはほとんど変化が現れていません。
コロナホールの影響が始まるまではこのまま穏やかな状態が続くでしょう。

太陽のフレア(太陽爆発)活動も静かです。
GOES衛星のX線グラフには目立った変化は観測されていません。
黒点の写真でも744,745と小さな黒点群が見えているだけです。



GOES衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。23日09:37 (世界時23日00:37)。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

2/24 01:06 UT


27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。