宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2005/ 3/23 10:29 更新 太陽風(速度350km/秒)および磁気圏の活動は静かです。太陽フレアの活動も穏やかです。 担当 篠原 SOHO衛星の観測が停止しているため(明後日頃から再開する様です)、 コロナホールの様子を見るためにいつも使用しているEIT284カメラの太陽画像が得られません。 一方、27日周期の図を見ると、これからコロナホールの影響で太陽風の速度が上昇を始めそうです。 そこで、コロナホールの現在の様子を調べるために、GOES衛星のX線画像のコントラストを強調してみます。 今日の1枚目の緑色の写真がその画像です。 かなりコントラストを上げていますので、色が飛んだ様に見えていますが、 太陽面の中心付近に、南北にコロナホールが広がっている様子がうかがわれます (暗く見えている部分です)。 参考のため、太陽が同じ面を見せていた27日前(2月24日)のEIT284画像を次に掲載します。 2枚を見比べると、暗く見えるコロナホールが太陽面に広がっている様子が、良く似ている事が分かります。 EIT284画像では太陽面の中央から右(西)にも細くコロナホールが延びているのが良く分かりますが、 これと同様の細い筋はGOES衛星のX線画像でも見えています。 この2枚の写真から、コロナホールは大まかには27日前と同じ分布をしている事が推定されます。 そこで、27日周期の図を見ます。 前周期は世界時で2月24日の朝(日本時間で2月24日午後)から太陽風磁場の南北成分(赤線)が大きく振れ始め、 2月24日の夕方(日本時間では2月25日になった頃)から 太陽風の速度(緑色線)が増加を始めています(最高550km/秒)。 今回これと同様の変化をすると考えると、 今日3月23日の午後(世界時23日朝)頃から太陽風の磁場に変化が見られ始め、 明日3月24日未明(世界時23日午後)頃から太陽風の速度が上昇を始めそうです。 この速度上昇は太陽画像の右に細く見えているコロナホールの影響と考えられます。 この領域の勢力が弱まっている場合は、今回はたいした変化は見られないかもしれません。 太陽画像の中心に大きく見えているコロナホールの影響は、もう3日程経ってから始まります。 27日周期の図で2月27日からもう一段速度の上昇が起きていますが、 こちらがその影響です(最高700km/秒)。 今回は3月26日頃から影響が始まるでしょう。 現在の太陽風は、速度350km/秒で、磁場強度6nTと穏やかな状態です。 磁場の南向き成分はほとんど無く、磁気圏もとても静穏です。 オーロラ活動を示すAE指数のグラフにはほとんど変化が現れていません。 コロナホールの影響が始まるまではこのまま穏やかな状態が続くでしょう。 太陽のフレア(太陽爆発)活動も静かです。 GOES衛星のX線グラフには目立った変化は観測されていません。 黒点の写真でも744,745と小さな黒点群が見えているだけです。 GOES衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。23日09:37 (世界時23日00:37)。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|