宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/12/ 5 12:36 太陽風は低速で、磁気圏はたいへん穏やかです。これから太陽風の乱れが始まります。
2004/12/ 6 10:06 太陽風の磁場強度は次第に弱まっています。北向きから変化しなかったため、磁気圏はほとんど乱れませんでした。
2004/12/ 7 12:41 コロナホールの影響で太陽風の速度が上昇しています。オーロラ活動が活発です。
2004/12/ 8 10:09 高速太陽風が続いています(500km/秒)。オーロラ活動が活発に続いています。
2004/12/ 9 10:35 太陽風の速度は次第に低下しています。オーロラはやや活発です。小規模フレアでCMEが発生した様です。
最新のニュース

2004/12/10 11:24 更新
太陽風速度は下がりましたが、南向き磁場の影響でオーロラはやや活発です。明日から擾乱が始まる可能性があります。

担当 篠原

ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は引き続き低下を続け、
現在は400km/秒と通常の速度に戻っています。
磁場強度は5nTと、こちらも普通の強さなのですが、
南向き成分(1列めの赤線がマイナスに振れている)が連続的に現れています。
このため、あまり大きなものではありませんが、オーロラ活動が続いている様です。
AE指数のグラフを見ると、500nT弱の弱い活動が連続的に観測されています。
中には、一時的ですが1000nTに達する強いオーロラ活動もあった様です。

太陽風磁場の南寄りの傾向が続く間は、現在の様な小規模のオーロラ活動が続くと思われます。
速度が下がっていますので、大きな変動は期待できません。

昨日もお知らせしましたが、
9日5時半(世界時8日19時半)に709黒点群がC2.5の小規模フレアを起こしました。
これに伴って、CME(太陽ガスの放出現象)が発生した様です。
SOHOの太陽観測が休止の時期に入ったのか、太陽画像の更新が停止しています。
9日に更新された最後の画像から、太陽ガスの放出の様子をご紹介したいと思いますが、
動画ではないので、残念ながら非常に分かりにくいです。
右上に伸びる明るい光の筋に、こぶの様なものが飛び出しているのがかすかに見えています。

この放出による高速の太陽風が明日の午後以降に地球に到達する可能性があります。
太陽風の速度や磁場強度が急に上昇し、オーロラを活発にしたり、
磁気嵐を発生させる可能性があります。
明日の太陽風データの変化に注意して下さい。

放射線帯の高エネルギー電子の密度は、ピークは越えた様です。
しかし、依然高いレベルを保っていますので、まだしばらく注意が必要でしょう。

太陽黒点の画像は8日の古い画像です。
710黒点群の番号が振られていますので、掲載しています。
この710群がC1のとても小さな小規模フレアを発生させています。



SOHO衛星LASCO C2カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

12/ 8 20:50 UT

12/ 8 21:26 UT

12/ 8 21:50 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。