宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/11/ 9 10:21 昨夜は北海道でオーロラが観測されました。今回の磁気嵐は静まりつつありますが、今夜にかけて次の衝撃波が来るでしょう。
2004/11/10 00:01 18時半(世界時9時半)に衝撃波が来ました。低緯度オーロラは難しいかもしれませんが、オーロラ活動は非常に活発です。
2004/11/10 10:05 更に新しい衝撃波が来ました。磁場強度が非常に強く、午後から南向きになって大きく磁気嵐を発達させそうです。
2004/11/11 09:31 磁気嵐が非常に発達しました。現在は太陽風、磁気嵐ともに回復に向かっています。今後、新たな衝撃波到来の可能性があります。
2004/11/12 10:27 磁気嵐は終息に向かっています。新しい衝撃波が来ましたが、大擾乱に発達することはないでしょう。
最新のニュース

2004/11/13 09:00 更新
磁気嵐はほぼ終了しました。太陽風の速度はまだ高速で、オーロラ活動も見られています。

担当 篠原

2004年11月の低緯度オーロラの観測報告
今回の大磁気嵐に関連して低緯度オーロラなどを観測された方は、ぜひ宇宙天気ニュースへお知らせ下さい。

今日1枚めの図はこの1週間の太陽風の変化です。
今回の大擾乱の原因となった、高速かつ磁場強度の強い太陽風の変化が、
図の中の7〜8日、9〜10日に見えています(時間は世界時)。
1列めの赤線に注目して下さい。これは太陽風磁場の南北方向成分の変化です。
これがたいへん強く南を向いています(-20nTや-40nTなど)。
今回の現象では、太陽風の速度はとても高速でしたが、驚く程の速度ではありません。
磁場がとても強く南を向いた事が大擾乱の決め手となったと言ってよいでしょう。

昨日到来を予想していました、X2.5の大規模フレアと関係した高速風ですが、
12日10時(世界時12日1時)に600km/秒から700km/秒に速度の上昇が発生しています。
あるいは、これがその影響かもしれません。
あまり明確な変化ではありませんが、CME発生時の696黒点群の位置を考えると、
この程度の変動にしかならないかもしれません。

太陽風の速度はその後緩やかに減少を続け、現在は550km/秒に下がりました。
磁場強度は5nTあり、やや南を向いています。
これまでが激しかったため地味に見えますが、まだ十分高速の太陽風です。
このため、オーロラ活動もこれまでに比べるとだいぶ穏やかになりましたが、
現在も活発に500nTを越える規模の活動を続けています。
太陽風の速度がもう一段下がるまでは、オーロラ活動は続くでしょう。

沖縄の磁場変化を見ると、かなり静穏レベル(青の横線)に近づいて来ました。
磁気嵐も終息間近と言えそうです。

太陽からの高エネルギープロトン、放射線帯の高エネルギー電子の密度は
ともに順調に低下を続けています。
どちらも間もなく警戒域から下がりそうです。

一連の大イベントの発生源となった696黒点群の最後の姿が黒点写真に記録されています。
新しい群が3つ見えていますが、いずれも小規模で、太陽のフレア活動は穏やかになるでしょう。



ACE衛星が観測した、過去一週間の太陽風の変化。1列めの白線が磁場強度、4列めの黄色線が速度。横軸の数字は日付になります。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。