宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/11/10 10:05 更新 更に新しい衝撃波が来ました。磁場強度が非常に強く、午後から南向きになって大きく磁気嵐を発達させそうです。 2004/11/10 15:00 追加 太陽風の磁場が強い南向きに変わりました。磁気嵐が再び発達を始めており、低緯度オーロラの可能性もあります。 担当 篠原 今晩日本でもオーロラが!? 宇宙嵐に関する臨時情報(11月10日17時更新)を作製しました。参考にご覧下さい。 10日3時半(世界時9日18時半)にACE衛星で新たな衝撃波が観測されました。 太陽風の速度は650km/秒から800km/秒と大変速い速度に増加しました。 この直後に磁場が-20nTと大きな南向きになりました。 この衝撃波は10日4時(世界時8日19時)頃地球に到達しています。 沖縄で40nT近い磁場増加が観測されました(他の変動が激しいため、図では見つけにくいかもしれません)。 この衝撃波は8日12時半(世界時8日3時半)に発生したC7.9の小規模フレアに伴って発生した halo CME(太陽ガスの放出現象)によるものと思われます。 ACE衛星で昨夕の9日18時(世界時9日9時)頃に観測した衝撃波は 8日1時(世界時7日16時)頃に発生したX2.0の大規模フレアによるものです。 フレアの時間間隔が11時間半、衝撃波の時間間隔が9時間半ということで、時間的にも良い一致をしていると思います。 SOHO衛星のLASCO C3カメラが捉えていた、これらのCMEの動画を掲載します。 初めの明るいCME(ガスの放出)の後(この部分の動画は昨日掲載していました)、 動画の最後近くに、太陽全体を取り囲む様な淡いガスの放出が撮影されています。 これが今朝の衝撃波の原因でしょう。 今回の衝撃波で注目すべきは、10日5時半(世界時8日20時半)以降の太陽風磁場の様子です。 -20〜-30nTと大きく南を向いていた太陽風の磁場が、 この時刻に急に北向きになり、強度も40nTに強まっています。 その後、南北成分(赤線)が次第に弱まって来て、現在は20nTに下がっていることが分かります。 これは、太陽風磁場の南北成分が北向きから南向きへぐるっと回転しつつあることを示しています。 恐らく今日の午後辺りから、磁場は南向きに切り替わり、その後夕方にかけて更に南向きを強めて行くと思われます。 その時点で磁場強度がどのくらいあるか、また太陽風の速度がどのくらいあるかが問題となりますが、 両者が非常に強い値を保っていた場合は、再び今夜にかけて磁気嵐が大きな発達を遂げる可能性があります。 再び低緯度オーロラが観測される可能性もあると思います。 これからの太陽風磁場、速度の変化に注目して下さい。 さて、現在の状況ですが、AE指数は観測システムが壊れたのではないかと思われる様な、 非常に激しい現象で一日が埋め尽くされています。 1000〜1500nT、時に2000nTを越える様な非常に激しいオーロラ活動を観測し続けています。 沖縄の磁場変化を見ると、減衰し始めていた磁気嵐(赤線が上昇し、青の横線に近づく)が、 再び強まりそうな気配を見せています(赤線が再び下がり始めている)。 現在は太陽風磁場が北を向いているため、磁気圏擾乱は一旦収まる方向に向かいますが、 今後、太陽風磁場南北成分の切り替わりによって再び大きく変化するでしょう。 太陽では696黒点群が新たに大きな活動を起こしています。 10日2時(世界時9日17時)にM8.9の大きな中規模フレア(太陽爆発)を発生させました。 今回も長時間継続型のフレアで、CMEを起こしています。 この情報については、明日のニュースで動画を紹介したいと思います。 明日、11日の夕方から夜にかけて衝撃波が到来する可能性があります。 696黒点群が太陽面の西(右)に移動していますので、 これまでの直撃コースのCMEほどの影響は見られないかもしれません。 また、高エネルギーの太陽プロトンの密度も高い状態が続いています。 減少傾向にあるとはいえ、依然20〜40PFU程度の数値を示しています。 継続時間も長くなっていますので、衛星運用などではご注意下さい。 2004/11/10 15:00 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります 10日10時(世界時10日1時)頃から、太陽風の磁場が南向き傾向に切り替わりました。 時間が経つ毎に南向きは強まり、現在は-25nT近くにまで強まっています。 太陽風の速度は750km/秒と非常に高速で、このため磁気圏は非常に活発な状態になっています。 オーロラ活動を示すAE指数では、 10日9時(世界時10日0時)頃に一時的に静かな時間帯ができていますが、 その後急激にグラフが上昇し、オーロラの活動が活発になっている事が分かります。 また、沖縄の磁場変化のグラフも磁気嵐の発達を示す、赤線の低下が始まっています。 既に静穏レベル(青の横線)から-250nTも下がっていますが、これから更に磁気嵐が発達するでしょう。 今後どの程度まで擾乱が発達するか、低緯度オーロラを呼ぶ程に発達するのか、興味が持たれます。 ACEのグラフを見ると、太陽風の磁場強度は緩やかに下がっていて、 最大だった40nTから現在は25nTに弱まっています。 長期的には時間の経過とともに太陽風の磁場強度、速度ともに弱まって行きます。 アラスカのライブカメラで撮影された、昨夜のオーロラ活動の動画(再掲載)。 (c) NICT/SALMON SOHO LASCO C3カメラが捉えた、X2.0、C7.9のフレアに伴うCMEの様子。太陽を取り囲む様にガスが広がって見えている。 (c) SOHO (ESA & NASA) SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC 2004/11/10 15:00 追加 ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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