宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2004/11/12 10:27 更新 磁気嵐は終息に向かっています。新しい衝撃波が来ましたが、大擾乱に発達することはないでしょう。 担当 篠原 11月10日の夜に再び低緯度オーロラが観測されました。 三澤史明氏が北海道常呂郡端野町で撮影された写真をご紹介します。どうぞご覧下さい。 2004年11月の低緯度オーロラの観測報告 今回の大磁気嵐に関連して低緯度オーロラなどを観測された方は、ぜひ宇宙天気ニュースへお知らせ下さい。 10日2時(世界時9日17時)に発生したM8.9の中規模フレアによって CME(太陽ガスの放出現象)が観測されていましたが、 その影響と思われる衝撃波が、12日2時(11日17時)にACE衛星で観測されました。 太陽風の速度は550km/秒から600km/秒に再び上昇し、磁場強度は5nTから12nT程度に強まっています。 これまでの変化が大変激しかったため、小規模の太陽風擾乱に見えてしまいますが、 オーロラ活動や磁気嵐を活発化する要因として十分な強度を持っています。 これまでは太陽風磁場が北寄りの傾向をとっていたため、地球への影響はほとんどありませんでした。 しかし、その傾向がやや変わりつつあり、今後南を向いた場合は磁気圏の活動が再び活発になるでしょう。 ただし、これまでの様な大擾乱に発達することはありません。 10日11時(世界時10日2時)のX2.5の大規模フレアによって発生したCMEの影響が、 これに続いて見られると思います。 発生源の696黒点群の位置から考えて、今回の衝撃波と同程度の影響であろうと思われますが、 しばらく注意をして下さい。 現在の磁気圏の状態ですが、沖縄の磁場変化を見ると磁気嵐からかなり回復しています。 現在の磁場強度(赤線)は静穏レベル(青の横線)から-80nT程度にまで上がっています。 オーロラ活動を示すAE指数もかなり落ち着いて来ています。 変動は500nT以下となり、オーロラ活動がかなり弱まっている様です。 ただし、現在も太陽風はとても高速であり、磁場強度も強い状態ですので、 太陽風磁場の南向きが強まると、オーロラが活発化するでしょう。 太陽からの高エネルギープロトンの放射は緩やかに下がっていますが、現在も50PFUあります。 太陽放射線の高い状態が長時間続いています。 また、放射線帯の高エネルギー電子の密度も警戒レベルの10の4乗を越えた状態が続いています。 どちらも衛星への影響が心配されるデータです、引き続き警戒が必要でしょう。 太陽面では、696黒点群がいよいよ西の端に没しようとしています。 すっかり活動は弱まってしまった様で、X2.5の大規模フレア以降は目立ったフレアを発生させていません。 太陽の大擾乱も一息ついた様です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|